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センバツ2025出場校決定!答え合わせ&反省会

去る1/24、2025年のセンバツ(第97回大会)出場校32校が発表されました。僕の予想(こちら)は何校的中できていたのか、早速答え合わせと反省をしていきたいと思います。果たして、意外な選出や逆転選出はあったのでしょうか。選考理由もふまえて順に見ていきましょう。


選考結果

21世紀枠(1/2的中)

21世紀枠は、壱岐(長崎)、横浜清陵(神奈川)の2校が選出されました。ともに初出場となります。
これまで21世紀枠を全校的中させたことがない僕ですが、今年もやはり1校外しました。

1校目は、予想通り壱岐が選出されました。離島に位置し、部員全員が島内出身である壱岐は、遠征に多額の費用がかかるなどといった地理的なハンデを乗り越え、長崎大会で準優勝、さらに九州大会でも1勝を挙げ8強入りするなど、困難を克服しながら見事な成績を収めたことが評価されました。

2校目は予想を外し、秋季神奈川県大会で8強入りした横浜清陵が選出されました。神奈川県から初の21世紀枠選出校となります。横浜清陵は共用グラウンドで使用時間も限られた中で練習を積み、生徒の自治による部活動運営を重視しながら好成績を収めた点が評価されました。
正直に言って僕は横浜清陵の選出を全く予想しておらず、そういう人も多かったのではないかと思いますが、よくよく考えるとこの横浜清陵の選出は、神宮大会での横浜の優勝によって関東地区にもたらされた神宮枠とも関わっていると邪推することができます。この点については後述します。
ちなみに、僕が2校目として予想していた小松工(石川)は、惜しくも補欠校に回りました。

選出された2校の選手の皆さん、おめでとうございます。

北海道(1/1的中)

道大会優勝の東海大札幌が順当に選出されました。10年ぶり7回目の出場です。おめでとうございます。

東北(3/3的中)

聖光学院(福島:3年ぶり7回目)、青森山田(青森:2年連続4回目)、花巻東(岩手:3年ぶり5回目)が選出されました。おめでとうございます。
昨年は3枠目を外してしまった東北地区ですが、今年は順当な結果だったと言えます。

関東・東京+神宮枠(6/7的中)

関東から横浜(神奈川:6年ぶり17回目)、健大高崎(群馬:3年連続8回目)、浦和実(埼玉:初)、千葉黎明(千葉:初)の4校、+神宮枠で山梨学院(4年連続8回目)の、計5校選出。
東京から二松学舎大附(2年ぶり8回目)、早稲田実(8年ぶり22回目)の2校選出となりました。

今回の選考の中で最も意外だったのが、神宮枠となる関東5番手として山梨学院が選出された点です。もっとも、山梨学院の可能性についても言及はしていましたが、望み薄と見ており、ここは東京農大二とつくば秀英の争いになると予想していたため、やや驚きました。これについても後述します。
山梨学院が5枠目に入ったことで、僕が予想していた東京農大二は6枠目として早稲田実との比較に回り、その結果早稲田実の実力が上回ると評価され補欠校に回っています。

選ばれたチームの皆さん、おめでとうございます。

東海(3/3的中)

東海地区は、大垣日大(岐阜:2年ぶり6回目)、常葉大菊川(静岡:2年ぶり6回目)、至学館(愛知:8年ぶり2回目)が予想通り選出されました。おめでとうございます。

至学館と岐阜第一とで難航が予想された3枠目ですが、やはり両者の実力は拮抗していると評価されたようで、最終的には地域性が決め手となり至学館が選出されました。これは選考ガイドラインに沿った選考結果と言えます。

北信越(2/2的中)

北信越からは敦賀気比(福井:5年連続12回目)、航空石川(石川:2年連続4回目)が順当に選出されました。おめでとうございます。

近畿(6/6的中)

我らが近畿からは、東洋大姫路(兵庫:3年ぶり9回目)、智弁和歌山(和歌山:2年ぶり16回目)、市和歌山(和歌山:3年ぶり9回目)、天理(奈良:3年ぶり27回目)、滋賀学園(滋賀:8年ぶり3回目)、滋賀短大附(滋賀:初)が選出されました。

毎年議論に沸く近畿地区の選考ですが、昨年に続き今年も全校的中することができました。注目の的となった滋賀短大附と大阪学院大高の6枠目争いは、僕の予想通り大阪1位校の履正社を下した滋賀短大附の実力が評価され、選出される結果となりました。「大阪枠」発動により大阪学院大高を推す声もネット上ではかなり多く見られましたが、この結果により98年ぶりの大阪選出”0”となり、かねてより存在すると言われてきた大阪枠が消滅しました。まさに歴史的選考であり、それとともにガイドライン策定以降の近畿地区の選考が実力評価>地域性であることが改めて明白になった選考とも言えるでしょう。かつては選考に不透明性があった近畿地区ですが、近年はきちんとガイドラインに準拠した選考がなされているという印象です。

中国(2/2的中)

中国からは広島商(広島:3年ぶり23回目)、米子松陰(鳥取:33年ぶり2回目)が順当に選出されました。おめでとうございます。

四国(2/2的中)

四国からは明徳義塾(高知:4年ぶり21回目)、高松商(香川:2年ぶり29回目)が順当に選出されました。おめでとうございます。

九州(4/4的中)

九州からは沖縄尚学(沖縄:2年ぶり8回目)、エナジックスポーツ(沖縄:初)、柳ヶ浦(大分:20年ぶり3回目)、西日本短大附(福岡:38年ぶり2回目)が選出されました。おめでとうございます。

秋季九州大会にてベスト4進出ながらも準決勝で6回コールド負けを喫し、選出が危ぶまれていた西日本短大附ですが、事なきを得ました。

選考についての私見

今回の選考では、一般枠29校すべてを的中することができましたが、21世紀枠の1校と神宮枠の予想を外す結果となりました。ここで、なぜ外したのかという反省をふまえ、僕の個人的な考えを述べたいと思います。

横浜清陵の選出

21世紀枠はどこが選ばれてもおかしくはないため、横浜清陵が選出されたこと自体に何の文句もないのですが、予め想定しておくべき点を僕は見落としており、反省として書き記しておきます。

21世紀枠と一般枠は建前上、切り離して選考されることとなっており、一般枠選考がどんな結果になろうが21世紀枠選考に関係しないとされています。代表的な例を挙げると、2018年の選考では滋賀勢が一般枠で2校(近江、彦根東)選出されたことに加え、21世紀枠で膳所も選出され、滋賀から3校出場ということがありました。これはこの建前をうまく利用した選考であると言えます。

この建前がある以上、ここからは僕の勝手な憶測になりますが、今回の横浜清陵の選出は、神宮枠を手にしながらも比較枠が東京(早稲田実)へ渡ってしまった関東地区への労いと捉えることができます。一般枠の選考は関東4.5枠、東京1.5枠となっており、昨秋、神宮大会で横浜(神奈川)が優勝したことにより、今年の相対的なレベルは関東>東京であると評価できます。今年は本来であれば神宮枠を含めて関東6校、東京1校の選出となってもおかしくないわけですが、以前の記事で語った通り東京大会準優勝の早稲田実が比較枠をもぎ取ることは既定路線であり、関東地区にとって神宮枠の恩恵はどうしても少なく感じてしまいます。早稲田実も出したいし、関東(特に神奈川)にも恩恵を付与したい、と考えた時に、21世紀枠推薦校で、しかも横浜と同じ神奈川の横浜清陵を選出すれば、この両方を一気に解決できます。

あくまで邪推に過ぎませんが、今回の選考はこのような思惑が働いた可能性があり、こうした穿った見方も予めしておくべきだったと、僕は今回の選考結果を見て感じました。

山梨学院の選出

前半で少し触れましたが、今回の選考で個人的に最も意外だったのが、関東5枠目の山梨学院の選出です。以前の記事でこの枠は東京農大二、つくば秀英、山梨学院の3校にチャンスがあるが、最終的には好投手擁する東京農大二が入ると予想していました。山梨学院の可能性も考えてはいたのですが、関東大会2試合で11失点6失策であることや、準々決勝で千葉黎明に2-5で敗れ、その千葉黎明も準決勝で振るわなかったことから、この3校の中での序列は3番目でした。山梨学院は一昨年のセンバツを制していますが、出場すれば33年ぶりとなる東京農大二や、初出場となるつくば秀英に比べ、話題性にも欠ける印象でした。

もっとも、山梨学院の選出は想定の範囲内の話であり、評価の仕方は三者三葉ですので、選考結果に妥当性が欠けていると指摘するつもりはありません。ただ、選考後の高野連・宝馨氏の選考後のコメントに、少し腑に落ちない表現がありました。宝氏は山梨学院の評価について、「一昨年まで3年連続で決勝に進出するなど、近年は関東大会で群を抜く成績を残している。(関東大会)初戦では昨夏の甲子園ベスト8の東海大相模(神奈川2位)と対戦し、9回に同点とされたが、タイブレークの延長10回にサヨナラ勝ち。接戦を勝ち抜く持ち味の粘り強さを発揮しました」と述べています。後半部分は別に良いのですが、冒頭の表現は過去のチーム力、戦績が評価に加味されたかのように受け取れます。山梨学院を最大限持ち上げようと出た発言だとは思いますが、選考ガイドラインには過去の実績についても考慮するなどといった文言は全くないため、会長の発言のこの部分は誤解を与えかねない蛇足だったように思います。

新たに言及された基準

今回、宝会長の発言でもう一つ気になるものがありました。それは、近畿6枠目の滋賀短大附選出、大阪学院大高の落選についてのやりとりの中で、「どこの県も2、3位校がセンバツに出るには地区1位を破らないと」「今回の(大阪)1位・履正社、2位・大阪桐蔭は実力があるチーム。そういうチームを破って勝ちきったのは評価される」と発言し、府県順位が明白な基準として存在することを明かしたことです。特段驚くべき発言でもないですが、選考において府県順位がどれくらい参考とされるのかについて会長自らここまではっきりと述べられたことはなく、あったとしても僕は知らなかったので、これは今後の選考を占う上での重要な発言だなと思いました。

まとめ

ということで、今年は2校予想を外し、全32校中30校的中となりました。昨年一昨年に続き今年も大きく荒れる要素はなく、全体的に順当だったように感じます。個人的には、近畿地区の予想を当てることができたのが満足です。来年こそは、いい加減成し遂げたことのない全校的中を果たしたいところです。
なお、今年のセンバツは3/7に組み合わせ抽選を行い、3/18に開幕します。ここからはまた戦力分析を行いますので、終了次第投稿したいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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