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アラン・シャルティエのスピーチをみつけた
飽きっぽいので、いろいろ並行してやってることのひとつ
ガストン・ボークール著『シャルル七世の歴史 Histoire de Charles VII』全6巻
私訳しながら読み進めている2巻のうち、第7章まで読了。
この2巻は14章構成で、シャルル七世の即位からアラスの和約(フランスとブルゴーニュの和解)まで扱っているのですが
全14章のうち7〜12章まで…… つまり、半分近い6章分が「アラスの和約が締結するまでの交渉」に当てられています。
歴史って、戦争がメインイベントになりがちで、外交は地味で目立たない。
実際、理解するのが難しくてつい読み流したくなりますが……
詩人 外交官アラン・シャルティエ編が始まって、テンション⤴︎
シャルティエの詩はいくつか読んだことあるものの、
作品目録には載っているのに、web上ではどうしても見つからなかった
「シャルル七世の使節として神聖ローマ帝国に派遣され、皇帝ジギスムントに宛てたスピーチ」詳細が書かれていて、めちゃくちゃ興奮しています!!!
皇帝ジギスムントは、ブルゴーニュ無怖公の戦友で(若い頃、ともに十字軍遠征した仲)ヘンリー五世とも親しかったため、シャルル七世を敵視してましたが、シャルティエの演説をきっかけに心変わりしたらしい。
名スピーチを、へたくそな翻訳で紹介するわけにいかないので
今回は印象に残った一文のみ。
La France était abattue, non écrasée ;
les ennemis, en massacrant ses défenseurs, s'étaient épuisés eux-mêmes.
フランスは敗北したのであって、滅亡したのではない
敵はフランスを守る者たちを虐殺し、疲弊させたのだ
ちなみに、『7番目のシャルル、聖女と亡霊の声』第三章で、
シャルル七世が「皇帝にお手紙書いてよ」と頼んでいるシーンがあります。
\ここから下は自著とコンテンツの宣伝です/
▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声
あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。
父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。
※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。
▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】
※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。
自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
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