
カクヨムコン10:書き出しポストキャンペーン
年末年始恒例の「カクヨムコン10」
11月29日から始まってたみたい。出遅れた!
期間は2月3日までだそうです。
X(旧Twitter)の公式アカウントで「書き出しポストキャンペーン」をやっていたので参加しました。図書カードはなんぼあってもいいですからね。
みんなそれぞれ、好みの良作・傑作・異色作に出会えますように。
始まってた。書き出しポストキャンペーンに便乗します
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) December 1, 2024
好みの良作・傑作・異色作に出会えますように#カクヨムコン10 https://t.co/eWVXaYhY0A pic.twitter.com/K441Bnd3WE
スクショ見えづらいな。
以下、拙作『7番目のシャルル、聖女と亡霊の声』書き出し部分です。
あらためて読むと、懐かしくも恥ずかしい。
コメディかな? このノリでシリアスじゃないよね…?😂
私の名はシャルル・ド・ヴァロワ。
父の名もシャルルで、祖父もシャルルだったが、曾祖父はジャンで、高祖父はフィリップだ。
いずれもフランス王国ヴァロワ王朝に君臨した王で、私は五代目になる。
名前のバリエーションが少なかったため、それぞれの個性をあらわす「二つ名」をつけられた。
ヴァロワ王朝初代、幸運王フィリップ六世。
第二代国王、善良王ジャン二世。
第三代国王、賢明王シャルル五世。
第四代国王、狂人王シャルル六世。
そして、私こと第五代国王、勝利王シャルル七世。
勝利王よりも、この物語を読んでいる読者諸氏の時代では「恩人ジャンヌ・ダルクを見捨てた非情な王」として有名かもしれない。さもありなん。
あの子を助けられなかったのは事実だが、当時政敵だったイングランドによる私への誹謗中傷が600年以上も一人歩きしている状況には、大いに不満がある。フェアじゃない。
このページをひらいたのも他生の縁だ。
聞く耳のある読者は、ぜひ私の声を聞いていってほしい。
英仏百年戦争は、高祖父フィリップ六世時代に始まった。
四代目までの王は、生まれた時から王太子だったが、私は父王の10番目の子で五男だった。王位を継承するとは誰も思わなかっただろうに、兄王子たちの連続死で14歳で王太子になってしまった。
フランス王国の命運は帝王学さえ学んでいない、いたいけな少年に託された。
私は精神を病んだ父王の摂政となったが、権力志向の母妃と愛人に命を狙われ、ついにパリから脱出。英仏間の戦いは休戦中だったが、イングランド王はフランスの内乱に乗じてまたしても「王冠をよこせ」と攻めてきた。百年間ずっと王位を要求し続けるのだから本当にしつこい!
度重なる心労と重圧とトラウマで、私の心は10代半ばでズタボロになった。
こうして都落ちした没落王太子は、史上もっとも不利な状況でヴァロワ王朝第五代国王として即位した。このとき、弱冠19歳!
いくら「なろう」でも設定盛りすぎだろうが!と思うかもしれないが、すべて史実である。自分で言うのも何だが、生まれる前にスーパーハードモードなシナリオを選択したとしか考えられない。
\ここから下は自著とコンテンツの宣伝です/
▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声
あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。
父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。
※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。
▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】
※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。
自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
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