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主人公が答える10の質問・第二弾

カクヨムの自主企画イベント用「歴代主人公が答える10の質問
一度終了しましたが、応援コメントから新たな質問をいただき復活しました。
「新・10の質問」は次の通り。

1️⃣ あなたの弱点、もしくは苦手なものは?
2️⃣ とっておきのアイテム、もしくは大切なものは?
3️⃣ 好きな食べ物は?
4️⃣ 趣味は?
5️⃣ あなたの出身地の自慢できるもの・ことは?
6️⃣ 子供のころの思い出は?
7️⃣ 子供のころの夢は? それは叶いましたか?
8️⃣ もらえるなら長期休暇と超大金どっち?
9️⃣ 今一番欲しいものは?
🔟 今一番許せないものは?

ちょうどシャルル七世の即位601周年(10月21日)が近かったので、お祝いを兼ねて、記念日当日に「シャルル七世の回答編」を公開しました。

言うまでもなく、拙作『7番目のシャルル』の主人公、シャルル七世が回答しているという設定です。お遊び企画にもかかわらず、意外と哲学的な深い回答が出てきて作者の私もびっくり! 例えば、質問7と8はこのような感じ。

質問7 子供のころの夢は? それは叶いましたか?
「子供の夢とは何だ? 私が生きていた時代に、質問者が考えるような『子供の夢』という概念はない。身分に関係なく、父親の階級を子供は受け継ぎ、階級にともなう義務を継承する。その流れから外れることは追放と死を意味する。しかし、これでは質問者が意図する答えになってないな? ……子供の夢を『将来の幸福』と定義してみようか。身分や老若男女に関係なく、誰であろうと未来永劫の幸福を望む。だが、幸福のカタチは人それぞれ違う。一般的な『君主の夢=大望』とは、敵と戦い、奪い合い、支配領域を広げることだが、私は戦争や流血が嫌いなのだ。私の夢、幸福は異常なのだよ」

シャルル七世が答える10の質問(2)

質問8 もらえるなら長期休暇と超大金どっち?
「答えに困る質問だ。何かに奉仕することが人の義務であり、理由なき休暇はただの怠惰、すなわち堕落だ。『何をしてもいい自由な長時間』という意味なら、本業(義務)以外の趣味をやればいい。義務も趣味もないなら、愛する人を楽しませるために何かするといい。……超大金というのも答えに困る。王は貨幣を鋳造・発行しているから、その大金の出どころを考えてしまう。超大金を調達するために、金貨一枚あたりの金の含有量を減らせば貨幣価値が暴落する。必要以上に徴税すれば困窮者が増える。では、他国や他人から奪うのか? そもそも、なぜ長期休暇や超大金がほしいのか? ひとつ前の質問とかぶるが、休暇や大金を欲する理由を掘り下げると、その人の本当の夢・望み・幸福が見えてきそうだな」

シャルル七世が答える10の質問(2)


そして今日は、「リッシュモン大元帥の回答編」を更新しました。

表向きの回答はあっさりめ。
カッコ内でこじらせ気味の本心がだだ漏れている仕様です。
文字色を変えられるなら白文字(背景色)にしたかったな。

明日は小説本編を更新する予定です。お楽しみに。



自著の紹介

既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。


新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。


最新作:『シャルル七世とその重臣たち』

アレクサンドル・デュマの初期の戯曲(全五幕の悲劇)を翻訳しました。


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