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『世界の終わりの直前』【ショートストーリーのような詩のような何か】
世界はもう時期滅びてしまう。
巨大な隕石が降ってきて、世界は跡形もなくなってしまうらしい。
NASAにも、CIAにも、人民解放軍にもなす術がなかった。
世界は最初パニックだった。
みんなが自暴自棄になって、好き放題し始めた。
物を壊し、お金を盗み、人を殺した。
でも、段々世界は落ち着いてきた。
そんなことをしても誰も幸せにならなかったからだ。
みんな、不思議と元の生活に戻って行った。
私もその一人だった。でも一つだけ新しく決意をした。
最後には、大好きな人たちと一緒にいようと。
大好きな人はたくさんいた。
お世話になった両親。
大好きな彼氏。
いつも支えてくれた親友。
大切なことをたくさん教えてくれた先生。
成長させてくれた部長。
辛い時にたくさんアドバイスをくれた先輩。
愚痴に付き合ってくれた同期。
慕ってくれる後輩。
辛い練習を一緒に乗り越えた大学の部活の仲間達。
青春をともに過ごした高校の同級生たち。
みんな集めた。
簡単じゃなかった。
大好きなのに傷つけてしまった人がたくさんいたからだ。
ひとりひとりに心を込めてたくさん謝った。なんとかみんな許してくれた。
でも、両親も彼氏も、親友も、部長も、同期もみんなそれぞれ大好きな人たちがいた。
なので、大好きな人たちの大好きな人たちも一人残らず集めた。
そのまた彼らの大好きな人たちも集めた。
誰かの大好きな人は、みんな集めた。
世界が終わる直前には、世界のみんなが集まっていた。