はじめてのアクアテラリウム水槽【その1:工程まとめ編】
前回【その0】として完成レイアウトを紹介した水槽ができるまでの工程を書き出してみます。これからアクアテラリウムに挑戦する人の参考になれば幸いです。
この工程でレイアウトした水槽の完成した姿はこちらです。
なお、水槽のサイズやなんとなくのやりたい感じは決まっている前提です。水槽のサイズやカタチがまだ決まってない人はこちらを参照してみてください。
それでは、以下工程です。
1.イメージを固める
まずイメージを具体化しましょう。今回の最初のレイアウト試案ではこんな感じでした。
いわゆる凹型レイアウトです。なぜ凹型かというと、水槽内に自然景観を作りたいなかでポンプとヒーターを隠したかったのです。実際に完成したレイアウトでもポンプを左、ヒーターを右に隠しています。
ここから色々具体的にイメージしていくのですが、ぼくは多少グラフィックツールの覚えがあるので↓のようにPhotoshopで合成してみたりしていました。
他には、やはり本でリファレンスをし案を深めていきました。色々読みましたが特に参考にしたのは以下の2冊です。
ADAアニュアルエディションにはインスピレーションとモチベーションを、アクアスタイルにはアクアテラリウムの具体的な実装や工程掲載されており、作業のサンプルなりました。
そういえばFF14(オンラインゲーム)のアクアテラリウム的なダンジョンに潜ったりもしましたw
いいところだなぁ…!特に参考にはならんかったけど…
みたいなことをしながらイメージを具体化していきました。最終的に決定したことは以下。
・凹型レイアウトでポンプとヒーターを隠す
・水上から水中へななめに流木を配置する
・その流木に沿うように水が流れ落ちる
・水上は壁面を苔で覆う
・石の壁を作って水がしたたり落ちる
・いくつか主役となる植物を流木を土台として植える
このくらいまで決めて、あとは実際に買ってみたりいじってみたりしながら決めていきました。
2.エピウェブで土台を作る
イメージがだいたいみえたので実際に土台づくりに着手します。
流木の位置をイメージしながら、テラリウム部分植える植物たちもなんとなくこの辺かなーって考えつつエピウェブで作ってみたのがこちら。接着はグルーガンです。
エピウェブというのは水を吸い上げる人工のヘゴ板のようなもので、細かい繊維で編まれた表面に植物が活着させることができます。エピウェブの詳細は公式サイトを参照ください。
今回はこのエピウェブで作った壁部分に苔や植物を植え付け、緑の壁を持つアクアテラリウムにするつもりです。
サイズは大・中・小とあり、45cm水槽であれば予備も見てこちら大サイズがいいでしょう。44cmの辺を横幅として使えば45cm水槽にピッタリはまります。
というわけでいったん接着したのですが、ほぼ垂直の面が多く、この後の石をつける工程で色々と難がでてきて…斜面の角度をおだやかにするため修正して最終的にこちらのようになりました。
緩やかでより自然な角度に。これにて土台はいったん完成。次はこれに溶岩石を貼っていきます。
3.石をグルーガンで接着する
エピウェブで作った土台に溶岩石を接着していきます。溶岩石を選んだ理由は先に紹介した本「アクアスタイル vol.13」でイモリウムの人が「初心者でもそれっぽくなる」と言っていたからです。実際わりといい感じになったような。
ぺたぺた…
ぺったん!
はい。こんな感じです。流木はこんな感じでおけるかなーと仮置きしています。
これ、最初は石同士が剥がれたり、エピウェブにくっつかなかったりしてかなり苦労しました。やってみてわかったコツは
・とにかくたっぷりグルーガンを塗布して
・白い接着剤が見えて気になるところは黒のグルーガンを隙間に追いグルーガンして隠す
です。砂を用意して隙間に追いグルーガンからの砂ふりかけで隠すのもいいみたいですね。なのでグルーガンのスティックはたくさん買っておきましょう。
このあたりのレイアウトに関しては結構苦労があったので別途もう少し詳細な記事を追って書きます。
4.流木やフィルター・ポンプ・ヒーターを固定し一式を水槽へ
今回はこちらのアクアテラリウム用の底面フィルターセットを採用しました。
底のフィルターを通して吸い上げた水を最大8箇所に分岐して排水することができます。
今回の水槽ではこの8箇所にホースを取り回して、水が流木や苔や岩から流れ落ちるようにしています。流木やホースは黒いビニタイで固定してます。
突然壁面部分になにやら布が巻かれてますが、これは「ハイグロロン」という布で、エピウェブにプラスしてより保水力を上げる役割があります。今回は特に水浸し向けの苔や植物を使う想定なので、こちらも導入しました。
これで底砂、底面フィルターと排水ホース、流木のセッティングが完了しました。
5.苔を貼る
今回のテラリウム部分は上からの流水と下からのエピウェブ吸い上げで常に水浸しな環境を作ります。なので苔の条件としては
・水浸しな環境で元気
・多少乾いても平気
という感じで、その両方の条件をしっかり満たしアクアテラリウムにぴったりとも言われる「ハイゴケ」を採用しました。
なるべく面として貼っていきたかったのでこちらのシート状のものを採用。乾燥状態から水をあげると復活します。
こんな感じで貼っていきます。巻いてく感じ。
最初は、「ちょっとほぐして水でもどしながら着けたら着くかな?」と思っていたのですが、思いのほか着かない。平らに戻ろうと反発してしまいます。なので、このアクアリウム用に使える接着材を使用して、ポイントポイントを接着して貼っていきました。
水に反応して固着するタイプなので「塗る→つける→霧吹きで水」という流れでつけていきます。
貼れた〜!
6.その他の植物・水草を植える
待ちに待ったこの瞬間!主役となるマコデス・ペトラ(ジュエルオーキッド)やアレコレを植えていきます。
はじめてのアクアテラリウムで、植えてみてどんな調子になるか心配だったので、あまりガッチリと固定せず苔と流木の間に植え込んでいます。思いのほかちゃんと固定されて良かったです。
水中部分にも。岩の隙間にも「アヌビアス・ナナ」や「アマゾンチドメグサ」を植えていきます。
この工程めっちゃ楽しかった…この「植物」についてものちほど別記事でもう少し詳しく書きます。
7.カルキ抜きをした水を入れる
カルキを抜いた水を注水していきます。カルキ抜きの薬剤に使ったのはエーハイムの4in1。かなり定番の商品のようで、これ使っとけばOK感あります。テラリウムの人は250mlでいいと思う。
カルキを抜いたらついに注水!テンション上がる!ソイルやレイアウトを崩さないように慎重に水を入れます。どのくらい慎重かっていうと、柔らかいシャワーの水をビニール袋に当てて入れるくらいです。
このサーファーとかが車で使うシャワーが便利です。
8.ゴミ掃除
苔のはじっことかいっぱいとれて浮いてくるんで、ピンセットとかで取り除きましょう。
いずれにせよピンセットや水草トリミング用のハサミとかが必要になるのでこういうセットをとりあえず買っておくのがいいです。
9.照明をつけて完成!
やったー!できた!お疲れさまでした!長かった!
次回は「はじめてのアクアテラリウム【その2:お金編】」です。何にいくらかかったかをまとめます。
【シリーズ】はじめてのアクアテラリウム水槽
その0:完成レイアウト
その1:工程まとめ編
当記事です。
その2:お金(総額約5万円)編
その3:レイアウト編
エピウェブとハイグロロンを用いたレイアウトについて詳しく。(これから書く)
その4:植物・水草編
テラリウム部分を中心に採用した植物たちについて詳しく。(これから書く)
その5:生き物編
まだ入れてないけどその5までくるころにはたぶん入ってるからそれについて書く。(これから書く)
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