DIY 拭き漆
なんとも心を奪ってくるもの。
木目を生かす。
自分でもやりたいなと思って、DIY手法を記します。
拭き漆とは
黒や朱など独特の鮮やかな色合いと深い艶のある漆器は、下地、中塗り、上塗りといった工程を経て、漆を幾重も塗り重ねるいわゆる「漆塗り」の技法によるもの。
一方で、木地に透けた生漆を塗っては布で拭き取る作業を繰り返し、木目を 生かして仕上げる技法を「拭き漆(ふきうるし)」という。
拭き漆に使う道具
生漆
ゴムベラ(又は木ベラ)
拭取り用の布
布(綿布、絹布、ナイロン糸布)
ゴム手袋
空研ぎ用サンドペーパー(#120~#240、#600~#800) 各数枚
(よりなめらかにしたい場合は水研ぎ用サンドペーパー(#1000~#1200)を各数枚。)テレピン油等(手洗用溶剤・希釈材)
拭き漆の工程
#120 ~240程度の空研サンドペーパーを使って、木地の表面を平らに調整する。(2日目以降 の拭き漆の際は、より細かい#600~800程度の空研ペーパーを使う。)研磨後は、乾いた柔らかい布でゴミ等を拭き取る。
生漆を用意する。
拭き漆の回数で希釈の程度を変える。
1回目:漆と同量のテレピン油等で希釈したものを使う
2回目以降:漆を希釈せずそのまま使う木地表面に生漆を落としゴムベラ・木ベラ等で薄くのばしたあと、綿布(絹布・ナイロン系布) 等を丸め、円を描くようにして木目に漆を摺り込む。
2~3分後、素地表面に漆を残さないようにきれいな布で拭き上げる。
およそ温度20度、湿度70%の環境の中で、約1~2日かけて乾す。
1.~5.の工程を何度か繰り返し、風合いを調整する。回数が多いほどツヤが高く、色が濃くなる。
作業する環境、漆の量、作業を行なう間隔、木地の種類によってツヤ・色の出方が変わってくる。
拭き漆後、乾燥させる環境
環境:温度20度、湿度70%
乾燥期間:約1~2日
簡易的に、
段ボールにビニール、その上に濡れタオルを敷き、その上にスノコ等を置いて乾燥する環境をつくれる。
木工芸家
村山明
兵庫県尼崎市出身。
学生時代から油絵を好み京都市立美術大学(現、京都市立芸術大学)に進むも大学では彫刻を専攻した。木工芸家黒田辰秋の長男が同大にいたことが縁で1966年大学卒業とともに黒田辰秋に師事(黒田は1970年に人間国宝に認定)。
1970年、第17回日本伝統工芸展入賞をきっかけに本格的な木工芸家となり、その後、宇治市に工房を構える。1989年には「欅拭漆盤」がイギリス、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館の収蔵品になる。
作品は刳物を得意とし欅(ケヤキ)を好む。
形の美しさ
遊び心
最後まで読んで頂き、感謝です(ぺこり)
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