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ゲゲゲの謎でみた昭和

━━━この世は悲惨すぎるから
片目で見るくらいがちょうどいい

2023年 水木しげる生誕100周年記念作品として公開された長編アニメ映画

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

「ゲゲゲの鬼太郎」といえば妖怪がメインで物語が展開していく印象ですが
『ゲゲゲの謎』は倫理を欠いた"人間の醜悪さ"を思い知らされる、まさに大人向け

時代背景は昭和31年
戦後復興を謳いながらも実の所は搾取社会
家柄や性別で生まれた瞬間から人生が決定づけられているような世界

●水木(鬼太郎の養父)
帝国血液銀行に勤めるサラリーマン

●ゲゲ郎(鬼太郎の父)
後の目玉おやじ

●龍賀一族
日本の政財界を裏で牛耳る一族

貧困・生活苦から自身の血を売る"売血"が1960年後半まで続いていたとは....
恥ずかしながら、この映画で初めて血液銀行の存在を知りました

歴史ものをみる時は
"現代のものさしで過去の常識を測ってはいけない"と念頭においてるのですが、さすがに昭和は最近すぎてショックが大きい

・上官の玉砕命令で犠牲となる若者たち
・家父長的な価値観
・会社のために身を粉にするのが当たり前の社会
・繁栄を守るため変化を望まない者たち(作中での龍賀一族)

.......全てがフィクションならよかったのに


【感想】
誰もが知るアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの前日譚としてだけではなく、現代社会にたくさんのメッセージを投げ掛けるような映画でした。

←ゲゲ郎 水木→

ゲゲゲの謎(通称:ゲ謎)はキャラクター人気もすごいんです
なんとこのお二人、ananの表紙を飾りました🎊

(ちなみに私の推しは鬼太郎と目玉おやじ)

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