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英検1級二次に立ち向かう
Twitter上で、英検1級に果敢に挑戦されながらも不合格の報告をされている方を何名か見受けられました。タイムラインが合格で埋まる中、不合格を知らせるのは勇気のいることですし、諦めずに受験する事は誰もができることでは無いです。私はそういう人を尊敬します。私の勉強方法がこれからも挑戦する人の役に立てたらたと思い、自分の勉強記録を書いてみました。
※以下、英検1級二次試験に関する内容です。1級一次もしくは他の級を受験される方にとってあまりぴんとこないかも知れません。スピーキング練習に興味があれば御覧ください!
初めての二次試験(2019.12)結果:不合格
一次試験合格通知を受けてから、二次対策をしていました。当時、何故か英検二次試験はそんなに難しくないという噂がありまして、ちょっと対策をすれば受かるだろうと高を括ってました。英検対策とは関係ない内容ではあるものの、オンライン英会話を半年以上続けていて英語を喋ることに抵抗感がなかったのとライティングに特化した勉強をしていたのでアイデア出しやアウトプットに自信があったので、問題なく受かるだろうと思っていました。
具体的な対策として、英検頻出テーマである「教育」「テクノロジー」「政治」「経済」「環境」などについて自分の意見を言えるようにして、過去問を2〜3題やって面接を受けました。
※上記の頻出テーマの選定にはセレンさんのこちらのページを大変参考にさせて頂きました。試験に向かう姿勢や面接の雰囲気など書いてありとても参考になります。
〜結果は惨敗〜
結果は惨敗でした。トピックカード上の5つの問いがどれも難しくていまいちわからない中、「拷問の正当性の是非について」を選びスピーチをしました。
英語力及び事前のストックが無さすぎて、拷問の説明をしたいのにいじめの話ししか口からでなくて、全く説得力のなくてfillerが多いダメダメなスピーチとなりました。(この論点ずれまくったスピーチをした直後は「英検はtask response重要じゃないから意外と受かっちゃうかも?」とまだ勘違いしてた気がします)Q&Aセクションに入り、ネイティヴ面接官の「拷問の話全くをしてないね。拷問の例なんか一つでも出したら」という発言にかなり動揺しました。そこから数秒沈黙があり、早く帰りたいとしか考え荒れなくなってしまいました(笑)
この面接試験から学んだことは「トピックは細かいことまで問われるし、そもそも質問文を読むのが難しい」「英語で話した事がないことは話せない」ということです。かなり本腰を入れてトレーニングをしないと合格はあり得ないと覚悟を決めて、次の試験まで2次試験対策に注力しました。
具体的には2019年12月から2020年2月末までの約3ヶ月、毎日2時間〜3時間半程、二次対策に費やしました。
面接のエピソードが長くなりましたが、以下勉強内容について書いていきます。
2回目の2次試験(2020.3)結果:合格
〜3つのアプローチ〜
英検二次(スピーキング全般に通じます)突破のために暗唱、シャドーイング、即興スピーチのトレーニングをしました。それぞれ説明していきます。
・暗唱
暗唱の目的は、知識の蓄積と自動化した英語を口から出すようにすることです。上述したとおり、英検は質問が難しいですし細かい事に答えないといけません。例えば「環境問題は良いことですか悪いことですか」というシンプルな質問ではなくて、「GMO,alternative enegyが環境に与える影響を教えて下さい」など環境という単元から更に具体的に入り込んだ事象に伝えてこないと行けないのです。この細かい事柄の対策については、植田先生の『英検1級 面接大特訓』巻末部分にある「フラッシュカード」を用いました。最初は本全体を音読していたのですが、どうも頭に定着する感じがしなかったので、ankiアプリを使って問題を呼んだ瞬間に答えがでる段階まで暗記しました。フラッシュカード以外にも、自分が使う予定の言葉は全て、意味を説明できるようにして、暗唱しておきました。fossil fuel,mental disorder, corruption,などは英検頻出の言葉なのでググって使えそうな説明をそのまま覚えたり、あるいは自分で文章にしたのをどんどんankiに放り込んでいきました。
anki内に100個ほどデータが溜まってくると、「このテーマにはこれが使えるな。お金と政治の組み合わせで乗り切れるな」のようなカードとカードを組合わせるゲームに近い感覚が出てきて、大方のトピックには対応できるような自信も少しついてきました。
・シャドーイング
シャドーイングや音読は暗記と重複する英語の自動化の効果がありますが、どちらかというと英語の音やリズムを作る目的でやってました。直接的にスピーキング力向上には繋がらないので、英語を発する器官を作るつもりで取り組んでました。
暗唱と同様に、『面接対策』を用いて全体を50回以上は読みました。繰り返しになりますが、音読やシャドーイングは口からスムーズに覚えた言葉は出やすくなりますが、文を組み立てる訓練ができないのでスピーキング力の向上には他アプローチの組み合わせが必要です。伝わりにくいかも知れませんが、話す練習をしないと話せるようにはならなくてシャドーや音読は何故か、その役割をしない感じがするのです。シャドーイングはリズム作りと割り切り、暗唱で頭に叩き込む事を意識しました。
ちなみに発音の細かいテクニックとして、th,l/r,wh,æ,əの音を練習しておけば取り敢えずは大丈夫だと思います。それよりも、イントネーションや流暢性を求められるので、スピード感が大事です。あと、よく間違えるストレス部分を確認しておくのが大事かもしれません。develop, product, production, industry, schoolなどでしょうか。いずれにしても使用する可能性がある言葉は一度発音記号を見ておくと安心です。
・実際に即興スピーチ
最後に即興スピーチについてです。実はこの練習が直接的にスピーキング力を伸ばすことができます!英語の文章を頭の中で創り、口に出す作業の連続がスピーキングかと思いますが、文章を作り出す作業は暗唱&シャドウイングにはないので、この英検を意識したスピーチをするのが本当重要です。図を書いてみましたが、スピーチは、図内の緑の線(以下、ニョロニョロと呼びます)を鍛える練習ができます。このニョロニョロは脳内の知識を組み合わせて、英語の体裁を整えて、最後に口からデリバーするという役割があります。いかにして、このニョロニョロを大きく素早く口まで届けられるかを意識してスピーチ練習をしてました。
当初は、鏡に向かって話す練習をしてそれを録画して確認してたのですが、一ヶ月前には英検対策オンライン英会話に課金しました。これが一番効果的でした。合計50回以上は即興でスピーチをして、その後にQ&Aも先生がしてくれたのでかなり実践的でした。フィードバックもバシバシ言ってくれる先生を選んだのでハートも強くなりました。要領のいい人でしたら、英検対策のオンライン英会話を受けまくるだけでも合格できるかも知れません。それほど実践に沿った練習が効果絶大かと思います。
スピーチの細かいテクニックですが、イントロダクションとコンクルージョンは決まりきった語句しか使わなかったです。始まりも終わりも一般意見や逆説から入って、後半で自分の主張をするパターンを完全に固定でやりました。
イントロ:Although ○○ is controversial, I strongly believe that ○○ for two reasons.
コンクルージョン:For these reasons, in spite of ○○, I strongly believe~.
スピーチの骨組を決めることで、アイデアとそのサポート部分だけに焦点をあてて練習をすることができたので、おすすめです。
〜再び面接〜
入室してからスモールトークのやり取りで、とても試験官の感じの良さを覚えてすごい話やすい雰囲気でした。更に5つのトピックの内、3つ程は喋れそうと思えて、アイデア出しに困らなかった「医療費は無料になるべきか」についてスピーチしました。
今となっては特に覚えてないのですが、Q&Aも通じて自然に会話をしてるような感覚があったと思います。終わった直後、「きっと受かったんだろうなあ」と思ったのですが、勘違いでなく良かったです。合格最低点での突破というギリギリ合格だったので、自慢できるものでもないのですが、英検一次初受験から5年かかったので、やっと終わったと安堵しました。
(↑最低点ですが合格は合格ということで。。。)
最後に
勉強の強度や時間は学習者の生活状況によって変わってきますので、「毎日2時間以上勉強すべき!」などとは思いません。ですが、知識の大量蓄積、英語の音を作る作業そして、思考し英語をデリバーする3点を個別に意識的に勉強することはおすすめします。
今までの内容に矛盾しますが、英検は受け続けていればいつかは受かると思います。というのも、語学は継続する限り伸びるからです。もちろん、どこかで量や学習時間・質の調整は必要ですが。なので不合格が続いて疲れてしまっていても、諦めず受けて貰いたいです。2次試験は更に、学校の定期試験のように出題範囲が決まっている感じがありますので、本来の英語力が至らないとしても対策で十分補えるのではないかと思います。
このノートが少しでも役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!