メンタル・ヘラヘラ入門

 A面です。メンヘラという言葉が普及して長らく経ちます。もともとはネット用語だったこれが一般に広まるようなきっかけなどをまとめた記事を昔B面が読んだそうで、探してもらいましたがついぞ出てきませんでした。幻でも見たのでしょうか。
 さて、そんな「メンヘラ」についての記事です。といっても自分が体験した枠組みの中での話です。

めんへらー
 メンヘラと言われたら何を思いつきますか?ステレオタイプ的なメンヘラは、
「極度のさみしがりで、スマホを肌身離さず持っており、チャットに入り浸っては依存先を探し続ける。自分だけを見ててほしい。感情の起伏が激しい。」
が、ネットでは出てきました。
 私が学生の当時思い描いていた「メンヘラ」は、もうちょっと具体的なイメージで、自傷、無理な飲酒、煙草、お薬の正しくない使用法などがありました。
 もちろんその行動の根底にあるのは自尊感情の低さなのだろうなという偏見を持っていました。

A面、メンヘラ化


 メンヘラの好発期はいつなのでしょうか。A面は20代になってからメンヘラになり、今では多分卒業しています。そうなったきっかけは、南条あや「卒業式まで死にません」を読んだからでした。

薬理学に興味を持った

 南条あやのおかげで薬理学に興味を持つようになり、特別講義もなんとかクリアできました。カンファレンスなんかでも薬の話は出てきますので、調べているうちにいろいろと試したくなってくるのです。
 物は試しで、自分に処方されている薬について調べていきました。時には他人が処方されている薬についても調べました。そんなときに、出会ってしまったのがC氏です。入院日記の中でも時折出てくるC氏は、A面に初めて煙草とお薬のいけない使い方を教えてくれた薬学部生です。
 C氏とときどき薬を<取り違えて>は舌下で試したり、何かに混ぜて飲んでみたりしました。詳しい方法は<割愛>します。

ほんのりとした恍惚感

 これはセーフな話なので、きちんと書きます。あるとき咳が全然治らずに、かかりつけではない内科を受診しました。シロップ(咳止めの苦いシロップ)を出されて、挙句に点滴でも咳止めが入っていたのだろうか?というほど、ラリってしまいました。その時の様子が、「風景がキラキラして見える」「ふわふわする」だったのです。それを機に、ふわふわする感覚を味わいたくなりました。なおA面はお酒にめっぽう弱いので飲めば回りも早いです。

幻覚を見たい

 これも入院日記に書いてありますが、とある睡眠導入剤を飲むと幻覚が見えました。副作用です。見たいものが見れるわけではなく、さらに日替わりなのでその日のコンディションに拠るのかと思われますが、幻覚を楽しみにしていました。

自傷

 内出血させるくらいなら自傷にはならないと言い聞かせていろいろ試してはいました。かみつく、爪を噛むなんかは物心無いころからしていたようです。物心がついてからはしていないと思います。どんなふうに傷を付けたらどう内出血するのか、内出血が引くまでの期間などを観察していました。

煙草

 A面は普段は吸いませんが、気が向いた時に嗜む程度です。必ずピースのシリーズを吸います。銀のピースライトは雑味が強いので、金のピースライトかピース・アロマ・ロイヤルです。ちなみにメンヘラ診断的なのではピースは「やばいやつ」か「愛煙家」らしいです。多分A面は「やばいやつ」の方ですね。

A面、脱メンヘラ化


 A面は入院するまでメンヘラ化が進んでしまいましたが、病院を退院し、院を退院し、就職してメンヘラから脱却しました。メンヘラを続けるメリットがなくなったのです。就職して日々業務に追われる中で、メンヘラする余裕がなくなっていったのです。
 そもそも、メンヘラとは何かという実験の一環で始めたメンヘラ(ファッションメンヘラではない)なので、メンヘラ界の様子が分かればそれでよかったのです。
 今では、悪いお薬の使い方も知っているけれどそれを使わない人になっています。
 自分を大事になんていまだに思えないほど、自己肯定感は低いですが、自分の時間をとるためにnoteなどを書いて、創作活動をして過ごしています。
 ガチメンヘラになってしまわれた皆さんには、死ぬまでメンヘラでいることは稀であることを伝えたいです。
 またこれからメンヘラ化しようとする人には、死なない程度にしてくださいね、とお伝えしたいです。


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新町 圭
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