見出し画像

私の鍼灸施術を紹介します

こんにちは、鍼灸師の吉川です。

みなさんは、鍼灸と聞くとどんな施術を思い浮かべますか?
刺した針に電気を流す方法や台座の上にもぐさが乗っているお灸は目にしたことがある人も多いかと存じます。

鍼灸院へ行く際、二の足を踏ませる原因のひとつとして"どんな施術をされるかわからない"という恐怖心があるかと思います。
得体の知れないものほど、恐怖心は増しますよね。

患者様に施術を行う際、どんな方法を用いるかは鍼灸師個人にゆだねられていますので、業界共通のマニュアルはありません。
鍼灸師それぞれが信じる理論をもとに施術内容は決められています。
ゆえに、患者様はどの鍼灸院へ行けばいいのか迷ってしまうのです。

私の施術は、みなさんが思っているよりずっと鍼を感じにくいと思います。
私自身が痛みを苦手とする傾向から、痛くない鍼、熱くないお灸をする術を身につけて来ました。

今回は、私が普段どんな施術を行なっているのか、ベースをご紹介します。
鍼灸が得体の知れないものと思われている方に、なんとなくのイメージをプレゼントできれば幸いです。


問診と触診が8割の結果をつくる

私が施術で最初に行うのは問診と触診です。
鍼やお灸を始める前に患者様から話を聞いたり手足などに触れて、身体や心の状態を把握します。

問診は、症状自体のことに加えて、生活習慣や仕事のこと、あるできごとに対して患者様自身がどう感じたかなども伺います。
これは施術の方針を決めるために重要なことなので、正直に答えていただきたいところです。
※ダメ出ししたりしないので笑

触診は、仰向けでまず両手首の脈を診ます。
脈の強さや早さなどで体力や臓器の働きを把握することができるのです。
続いて、みぞおち〜下腹部を押さえて、痛みや不快感がないか伺います。
同時に、硬いところや冷えているところはないかなど、私が主観でとらえるところもあります。
その後、腕、脚、頭などのツボに反応が出ているかを診て、仰向けでの触診は終わりです。

次は、うつ伏せになっていただき、背面の触診をします。
首の後ろ、背部、脚の後面まで全体的に皮膚状態やツボの反応を確認して、病態把握は終了です。
患者様に状態と施術方針をお伝えして、承諾いただいたうえで施術に入ります。

施術を行う際、最も重要と考えるのが"見立て"です。
どんなに鍼やお灸を上手に施術できても、そもそもの見立てが誤っていたら治す方向へ導けません。
そういう意味では、施術結果の8割がここで決まっていると言っても過言ではないのです。


鍼は痛くない?お灸は熱くない?

患者様から鍼とお灸の使い分けを訊かれることがあります。
鍼は機械刺激、お灸は熱刺激という刺激の性質の違いを目的に合わせて使い分けているのです。

鍼は症状が浅めの機能低下に用います。
例を挙げますと、肩こり、目の疲れなどです。
筋肉が緊張した状態から緩まなくなり、正常な筋肉の収縮と弛緩の機能ができなくなった状態ですよね。
目はパソコンなどを使ってピント調整などの機能が低下した状態ですと鍼の刺激が良いと考えます。

お灸は症状が深くまで広がり、細胞の変性が生じた状態に用います。
例を挙げますと、胃潰瘍、結膜炎、子宮筋腫などです。
お灸を併用する必要がある症状に関しては、病院で治療を受けながら鍼灸も行うことが多いです。
加えて、内臓機能の低下により熱が正常につくれず冷えが生じてしまった場合もお灸を併用します。

鍼の刺し方ひとつにしても、さまざまな方法があります。

一般的に知られているのは、鍼を鍼管という筒に入れて、上からトントンと叩いて刺す方法かと思います。
これは"管鍼法"といい、皮下へ素早く刺すには良い方法ですが、過度に緊張しているような人にとっては刺すときにわずかですが痛みが生じやすい刺し方です。

私がよく用いる方法は"撚鍼法"といい、筒を使わずに鍼を皮膚上に置いた状態から刺します。
管鍼法とは違い、ゆっくりと細胞間を押し広げるようなイメージで鍼が入りますので、ほぼ痛みは感じません。
刺さっていることを患者様が自覚されないこともあるくらいです。

お灸は艾(もぐさ)を米粒くらいの大きさに捻り、皮膚の上に直接置いて線香で火をつけます。
全部燃やすと当然熱いですし火傷にもなりますので、温かい熱が加わった時点で燃えている艾を取り除きます。

痛くない鍼、熱くないお灸は、鍼灸を受けるハードルを下げることやリピートにつなげるためにも大切なことと捉えています。


施術には順番が大事

私が最初に鍼やお灸をする場所は基本的に背面です。
仰向けで身体の前面から始める鍼灸師も多いですが、背面から施術をした方が症状の変化がつきやすいと感じます。
背中にあるツボを必要に応じて使いますが、
だいたい3〜4穴です。
※穴(けつ)はツボを数える単位です

脚や首のツボを加えるときもありますし、気疲れや緊張が強い人には頭に鍼を刺したまま全体の施術を行います。
鍼を使うかお灸を使うかは、先に述べた通り症状によって変えていますし、鍼とお灸どちらを先に施術するかも患者様の状態を診て判断します。

その後、仰向けで脚、腕、顔面部などへの施術を行います。
良い方向へ変化がついていれば、これで終了といたしますが、気になる症状が残っていれば寝た姿勢か座った姿勢で鍼やお灸を加えます。

流れとしては以上です。
初診の方で30〜40分、2回目以降ですと20〜30分で施術を終えます。

私の考え方では、治すことを目的とするならば、施術時間は極力短い方がいいです。
鍼やお灸を行う箇所も少ない方が身体への負担が少なくて済みます。
記載した順番で鍼やお灸をすると変化がつきやすいので、刺鍼や施灸の数を最小限にすることができるのです。


結局は"エイヤッ!"でチャレンジ

施術の流れをご紹介しましたが、それでも恐怖心はゼロにならないですよね...笑
結局は一歩踏み出し受診するしか恐怖心を払拭する手立てはないのです。

鍼灸を受けたいとは思うが抵抗を感じるという方に対しては、事前に鍼灸抜きでお会いし親しくなるようにしています。
術者の人となりを知ると恐怖心が緩和されるように思うからです。
ご希望の際はおっしゃってください。


▼Instagram
https://www.instagram.com/ky_acp_mox?igsh=NHF6d3FsdTVxeGlj&utm_source=qr

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?