新しい環境に身をおく方へ お薦め漢方薬! 新見正則
変化に耐える力、レジリエンス
新しい環境に対応するには、変化へのレジリエンスが必要です。
レジリエンスとは、敢えて日本語に訳すと、
「回復力」とか「柔軟力」とかに訳されます。
ただ、どれもピンとこないのでレジリエンスという言葉で理解しましょう。
レジリエンスは、
変化というストレスに耐える能力、
危機的な状況を切り抜ける能力、
困難な環境でも生き抜ける能力です。
レジリエンスは鍛えることができます。
レジリエンスを鍛えることが幸せな生き方にも繋がると確信しています。
ストレスへの対処方法は2つ!
1つめは、命に関わるようなストレスからはさっさと逃げましょう。
心や体を極端に病んでまで、仕事を続けたり、組織にしがみついたり、
人間関係を維持したりする必要はありません。
2つめは、ストレスに強くなる自分を作ることです。
つまりストレスへのレジリエンスを鍛えることも実は相当大切と思っています。
日本の漢方的にいうと、ストレスに強い人は実証
日本の漢方(和漢)では実証と虚証という言葉があります。
実証はなんにでも我慢できる能力と考えるとわかりやすいです。
暑い環境にも、寒い環境にも我慢できる。
寝不足にも耐えられる。
空腹でもOKだし、一気食いもできる。
熱いお風呂も入浴可能、ちょっと温めのお風呂でも気持ちよく入れる。
便秘でも下痢でもそんなに苦にならない。
面倒な人とも上手くやっていける。
孤独な時間が長く続いても楽しめる。
立ちっぱなしも苦にならない。などなどです。
なんとなく想像できませんか?
その逆が和漢では虚証です。ですから、和漢では虚証よりも実証がいいのです。
中医学(中国の漢方)では、中庸が一番よいとされています
余談ですが、中医学的には、中庸(まんなか)がいいとされています。
虚証は和漢のイメージですが、実証は病邪の充実です。
ですから実証過ぎるときは瀉する治療(取り除く治療)も
中医学的には行われます。
さて、この和漢の実証は、つまりはレジリエンスが高いということです。
より実証に近づく、よりレジリエンス力を高めることが
幸せのヒントになるのです。
暑さや、寒さに耐える能力は暑熱馴化、寒冷馴化とも言われています。
つまり、熱中症注意報が出ているからと、冷房が効いている部屋に
ばかりいては、いつまでたっても暑さに強い人間にはなれません。
熱中症注意報であれば、水を飲みながら休憩時間をとって
屋外でもお互いに注意しあって行動すればいいのです。
もちろん熱中症警報の時に敢えて屋外で学業や仕事をする必要はありませんよ。
レジリエンスはすこしずつ鍛えよう
いろいろなストレスには対応できる心と体をボツボツと創って行きましょう。
ボツボツが大切です。突然にトライしても、急に体や心はそのストレスには耐えられないのです。
そして、いろいろなストレスに対するレジリエンスを鍛えるには
少々のダメージを被ります。
しかし、そのダメージが命に関わるものでもなく、長引くものでもなければ、
そんなダメージでも楽しめばいいのです。
心のダメージには加味帰脾湯(かみきひとう)
ダメージからの復活が難しいときはちょっとした知恵が必要です。
心のダメージでお勧めしているのは、加味帰脾湯(かみきひとう・137番)という漢方薬です。病院やクリニックで公的保険が使える処方箋薬としてももらうことができますし、同じものが薬局で処方箋なしのOTC薬として購入できます。
4月は心が疲れる時期。 漢方薬で乗り越えよう
4月は年度初めで、いろいろな環境が変わります。
人も変わります。組織も変わります。
そんなときに、心のダメージに備えて、毎日加味帰脾湯(かみきひとう・137番)を内服するのもいいと思います。
また、心が疲れたときに頓服的に内服しても効果的です。
加味帰脾湯(かみきひとう・137番)を内服しながら
レジリエンスを鍛えようではありませんか。
ストレスから逃げ回ってばかりいては、レジリエンスは一向に高まりませんよ。
変化に対応できる能力を一緒に磨いていきましょう。