新型コロナワクチン2024 新見正則
新型コロナワクチンの定期接種が始まるよ
新型コロナワクチンの全額公費による接種は2024年3月31日に終了し、2024年10月から自治体による定期接種が始まります。
65歳以上の方、あるいは60〜64歳で、心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方が対象です。
なんと、僕も対象者になっていました
僕はなんと65歳を越えましたので、オートマチックに新型コロナワクチンの定期接種の対象者になりました。対象者の患者さんからも接種をしたほうがいいのか、するならどのワクチンがいいのかなどを質問されます。
今回のワクチンは5種類
まず、今回の定期接種で使用するワクチンは5種類あります。
ファイザー、モデルナ、第一三共、MeijiSeikaファルマ、武田薬品が製造するものです。武田薬品が組み替えタンパクを使用し、他の4社はメッセンジャーRNA(mRNA)を利用しています。ファイザーとモデルナはアメリカの企業で、他の3社は国産となります。
医療サイドではファイザーを使用することが多いと思います。その理由の1つは、ファイザーはバイアル(ワクチンを含んだ瓶)から注射器で吸い出す必要がないからです。ワクチンの薬液を注射器にあらかじめ個包装されたものが提供されます。医療サイドの負担が極めて軽減されることが利点です。
モデルナも1瓶で1人分ですが、第一三共と武田製薬は1瓶で2人分です。ところがMeijiSeikaファルマは1瓶で16人分なのです。接種希望者が16人揃わないと余りが出てしまうので、接種希望者が多数存在する病院や高齢者施設で利用されることが多いと推測されます。
武田薬品のワクチンは、mRNAワクチンです。遺伝子のセントラルドグマは核酸4種類の組み合わせからなるDNAの鎖から、同じく核酸4種類の組み合わせからなるRNAに遺伝子情報が伝わり、その後、核酸3つでアミノ酸が1個規定されます。
つまり、DNAやRNAの鎖は、連続するアミノ酸の設計図になっているのです。アミノ酸の連続が蛋白質です。そこで、新型コロナウイルスのスパイクタンパクの設計図であるmRNAを体に入れる作戦がmRNAワクチンなのです。ところが、普通のmRNAを体に入れてもすぐに壊れます。そこでウリジンという核酸をシュードウリジンに置き換えて、早期の破壊を防ぐ作戦が成功しました。この業績は、2023年のノーベル医学・生理学賞に輝きました。
また、MeijiSeikaファルマのワクチンはmRNAワクチンなのですが、他の3社のmRNAワクチンとは異なり、RNAを複製するためのRNAレプリカーゼの遺伝子をコードしたmRNAも組み込まれています。ですから自己増幅型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)と呼ばれ、mRNAが体内でどんどんと増殖するのです。つまり、長期に免疫を維持することを可能にする作戦です。
僕自身は自然感染で軽症を狙います
僕はこの20年間はインフルエンザワクチンは打っていません。また新型コロナワクチンは3回しか打っていません。新型コロナ感染症の死亡率が高くないことを知ってからは打っていないのです。ですから、65歳を越えた今も新型コロナワクチンは打たない予定です。
僕の理解は最良のワクチンは自然に感染し、そして発症せず、また発症しても軽症で収まることと思っています。ですから死亡率が高くない昨今の新型コロナウイルスには健康状態が良いときに感染することを厭わないことがベストと思っています。
さて本題、どれを選ぶ?
さて、他の患者さんからの質問にどう答えるかです。
まず、ご本人が接種を希望すれば、それを否定する根拠はありません。ワクチンには少なからず副反応や副作用が存在します。それを理解していれば問題ありません。
ちなみに、MeijiSeikaファルマのレプリコンワクチンは、日本が世界に先駆けて最初に使用します。mRNAを自己増幅させることの長期的な副反応はまだまだはっきりしていません。
僕は患者さんにはMeijiSeikaファルマのワクチンの使用はもう少し待ったほうがいいとお伝えしています。