トランプ2、始まる 新見正則
トランプ氏の圧勝
アメリカ大統領選挙が終わりました。結果はトランプ前大統領の圧勝でした。アメリカ大統領選挙は多くの地域で選挙人総取り方式ですから、民主党が基本的に勝つ州、共和党が基本的に勝つ州は決まっています。勝敗は激戦7州で決まります。結果はその激戦7州すべてでトランプ氏が勝ちました。それがアメリカ国民の民意ということになります。
これからどうなるの?
日本のメディアの多くは民主党寄りです。共和党、特にトランプ前大統領が返り咲くと「とんでもない世の中になる」という論調が大多数でした。トランプ前大統領の方がハリス副大統領よりも次の大統領にふさわしいという論調は地上波では少なかったと思います。一方でネットメディアでは、結構トランプ贔屓の発信も多数見られました。
日本のメディアの意思決定層にアメリカの民主党支持者が多く、特にトランプ嫌いが多いと発言している人もいました。僕は常々いろいろな意見を聞くことが大切と思っています。そんな意見を聞いて、自分で判断することが大切です。メディアの発言が正しいと思い込まないことが肝要と思っています。
バランス感覚が大事
コロナワクチンもどのメディアも全面賛成でした。僕は免疫学が大好きですから、基本的にワクチンには賛成派です。しかし、ワクチン反対派の意見を少しは報道しておいたほうが良かったと思っています。
医療は御利益と副作用のバランスで成り立っています。100%安全という医療はほとんどありません。ワクチン論争にしても、反ワクチンという意見が登場することは当然のことなのです。
アメリカの激変に耐えられるか
さて来年からアメリカはトランプ政権になります。アメリカのトップを誰にするかは日本国民に決定権はありません。大切なことは変化できることです。アメリカは次の4年間は相当変化するでしょう。その変化についていくことが大切です。
日米安全保障条約は極めて例外的に片務的な条約です。集団的自衛権は属している国が攻撃されれば、自国への攻撃として、加盟国は参戦する必要があります。日米安全保障条約では日本は参戦する必要もなく、1960年に締結されてから60年以上が経過しますが、アメリカが関与した戦争に日本が参戦したことはありません。今後日米安全保障条約がトランプ政権でどうなるかも不安材料です。一方で日本が自国の安全保障をどのように築き上げるかをみんなで議論するには良いチャンスです。
非武装で中立が守れるか
極論は非武装中立です。自衛隊は憲法違反として廃止する。軍備は持たず外交で自国の安全を保つという作戦です。うまくいけば最良の選択肢でしょう。しかし、隣国の中国、北朝鮮、ロシアが、そんな丸腰の日本にどう接するかは未知数です。
自衛隊を軍隊として武力で自国を守る必要があるのかをしっかり議論すべきでしょう。現総理の石破氏はアメリカとの対等な関係を望んでいるとも報道されています。そうするなら日米安全保障条約は片務的であってはならないのです。それだけの勇気が、国民のコンセンサスが、そして国民を引っ張る力が政権には必要です。
トランプ再来をチャンスに前進しよう
次の4年間どんな世界になるのでしょうか?
その影響は当然に日本にも及ぶでしょう。戦後70年を越え、日本は戦争や武力紛争に加わることなく過ごしてきました。自国の安全保障を真剣に議論するにはトランプ政権の再登場は絶好のチャンスと思っています。