開業計画からオープンまで
「僕は運が良かった」
美容室のオープンまでの道のりとして、正直これに尽きました。
「自分の城を持ちたい」
少なからず美容師なら一度は想う夢かと思います。僕もそんな1人でした。
2021年1月頃まで、
「自分は開業せずにサラリーマン美容師として生きよう」と決めていた中で、突然やってやろうと立ち上がりました。
その理由が、
「自分を否定してきた全美容師達を美容業でマウントをとりボコボコにするためにまずは開業する」
というとてつもない混沌とした、こんなこと誰にも言えない最低な動機。
すぐにでも悪魔に魂を売りそうな勢いの私利私欲感情むき出しの状態からスタート。
もちろん、計画途中で我に返りますのでこれから開業を計画している美容師様やお客様にも多少参考になる、または楽しめる内容となっています。
まったりとお付き合い頂けたらと思います。
①まずは開業計画作成
(2021年2月)
5年前に開業計画を立てていたので国民政策金融公庫さんの開業計画書式サンプルや書き方など一通り揃っていたのでここはスムーズに取り掛かることが出来ました。
それでも何が必要でぜんぶで金額はいくらになるのかなんてのはわからずだったので、
・毎月出る経費で自分が出せる上限予想
・スタッフの人件費
・使用機材一覧作成
・使用薬剤選定
・美容ディーラーさん確保
そして、
・イメージコンセプト
を計画していました。
②何すればいいかわからんので知り合いに連絡
(2021年2月)
当時、自分でわかるところはここまで(笑)
ネットで調べてもイマイチよくわからない。
国民政策金融公庫に事業計画を出し融資を受ける前に開業予定の物件がなければいけないらしい…。でも物件見に行ったら契約のお金必要じゃね??
とりあえず自分の資金で物件確保の契約をするのか…?でも融資おりなかったらどうする…?
と、よくわからなかったので知り合いの内装デザイン業者の白田さんが開業計画支援もしている方だったので連絡。
相談の答えとしては、
融資も物件もぜんぶ同時進行をしていく。
とのこと。
融資を受けるためには物件が必要だけど、物件契約「予定」で金融公庫は動いてくれる。もちろん物件契約「済」の方が成約はしやすそう。
物件も融資が入ってから支払うので「物件契約申込み」だけするなども出来ます。もちろん人気物件であれば先に支払いしないと先着になってしまう物件もあるみたいです。
というふうに融資も物件取得もフワッとした部分があるようで創業の場合には慌てても大丈夫な優しい一面もありました。
③いざ物件探し
(2022年3月〜8月)
融資申し込みがいつでもいけそうな状態にしつつ物件探しに入りました。コロナ禍ということもあり物件はチラホラ…。
僕はエリアを京王線の初台、笹塚、明大前、下高井戸、八幡山の5駅にしぼり物件探しを開始しました。
ネットで物件相場を確かめつつ地域の不動産を周り、内見しながら近隣のデータを取りながら相応しい物件を探すいう作業です。
1人では物件の中身がわからないことが多く内装デザインの白田さんに同行してもらいながら一件一件しっかりチェックしていきました。
サロン作成の大きさとしては申し分ないけど、
「水周りが美容室に向いてないかも」
「配管の作りが美容室として再工事しないと使えないかも」
など内見をしながら決めていき、
立地や家賃の兼ね合いなどにあいそうな物件が出てきたらさらに次のステップに進みました。
このステップあたりで憎悪感情が僕の中からなくなってきます。
(この数日前までは美容師全員ブッ○してやるよ!って気持ちが9割9分9厘。)
④色んなプロフェッショナル達が集結
そんな中、理想的な物件が3つ出てきました。
・下高井戸 徒歩1分
・初台 徒歩2分
・笹塚 徒歩7分
内見は済んでおり、美容室可能物件ではあるものの、本当に美容室に適しているのか、いざ工事するとしたらいくら位の金額になるのかを一気に調査してもらいます。電気、水道、ガス、内装の大工さん、などたくさんの人が一気に集結します。その調査の間に僕は税理士さんを紹介してもらったり、保険業者さんやネット開通の申込み予約など同時進行でやります。ここで必要な資金がほとんど決まってきます。
ここで、色々なプロフェッショナルな方達が自分1人のために集結し、動いてくれているのを目の当たりにした日に「自分はとんでもない事をしている」と我に返りました。
こんなに真剣に取り組んでもらってるのに変な動機で動いていた自分が恥ずかしい。
やるからには良い美容室にしたい。
幼稚な自分の考えを改めた日。
「何のために美容室を開きたいか」
改めて事業計画を計画し直しました。
⑤融資面談、そしてイレギュラー鬼出現
(2021年8月〜9月末)
物件は大家さんがとても親切で応援してくれる下高井戸の物件が気に入り申込み。申込みをすると同時に融資面談もします。
幸いにも大家さんがとても良い方で申込みの際には手付け金などが必要な場合もあるようなのですが、融資が決まるまで待ってくれるとのこと。ステキすぎ。美容室の想いを教えて欲しいと大家さんから言われて作成。
そして融資へ。
ここで問題勃発。
最初計画していた創業融資金額が大幅にズレ始めました。理由としてはテナントの痛みによる大幅工事、コロナの影響による物資高騰や届かないなどでの工事期間の延長によるテナント家賃の空家賃の発生など、他にもたくさんの追加があり予定額より大幅に金額を上げた融資が必要となりました。
変更追加しなければいけなかった事
・融資の金額を増やす
・運転資金(自己資金)をけずる
それでも足りない場合
・必要物資を購入ではなくリースにする
・他機関から追加融資
・金融サポートを使う
などをする必要が出てきました。
融資を増やすということはシンプルに返済金額が増える。
リースにすると毎月支払う固定費が増える。
運転資金を削るのは軌道に乗るまでの蓄えが減る。さらには自己資金0というの状態は生活費もない状況。
などと苦しい状況になりそうな展開。
そして、あげくの果てには融資金額が増えたことにより国民政策金融公庫からの融資の他に銀行からも融資を検討する話にもなったり。さらには区のあっせん融資などの支援面接の結果が必須など色々な条件が多発。通常は融資面接から1〜2週間程度で結果が出てテナント契約に移れるものがかなり延び延びになり1ヶ月ほど。
不穏な空気。どんどんビビる。
今になって、補助金や助成金などのサポートをうまく活用すればまだ勝負出来たかもということを知りました。
知識不足…。
うまく進まないことも相まって、
借金1500万円と運転資金0円に完全にヒヨりました。
⑥開業断念、そして助け舟出現。
(2021年10月)
完全にヒヨった自分は融資面談途中にして断念。
大家さんへ物件申込み辞退と申込みから1ヶ月半も待っていてくれていたことへの謝罪をしに直接会いにいきました。
そこで大家さんからは「君に貸したいと思っていたから、まだ待つから諦めずにやってみたらどうか?」と応援。
いい人すぎや…。
しかし未知数な借金に震えてる状況で気合いの根性だけでは気持ちが立て直せない。
前に進めず、諦める話を白田さんにしたら
「ここまで来ての辞退はもったいないので私がここから引き継ぎます」
とのこと。
急な展開で何が何やらわからん状況でしたが、内装デザイン業者の白田さんが代わりにバトンタッチしてくれることになりました。
こんなことあるの?笑
⑦バトンタッチしてからのマッハスピードでオープンまでかけぬける
(2021年11月)
白田さんへバトンタッチした後から物件契約、融資、そして着工。引き渡しまで約2ヶ月。
自分がやってた3倍のスピード。すごい。笑
完全なスケルトン物件からの工事。
白田さんいわく死ぬほど急いだらしい。笑
2022年1月のオープンはギリギリ営業できる感じでスタート。
⑧感謝しかない美容室が完成
自分の変な動機からスタートしたのに関わらず、自分のためにたくさんの人が本気で動いてくれている。
優しい大家さん、
バトンタッチしてくれた白田さん、
待っていてくれたお客様、
そして共に働いてくれるスタッフや協力してくださっている業者さん。
イケメンで金持ちでモテる足が臭くないハゲない人間を妬み、周りの人間を僻んでいた人生でしたが、こんな状況になるなんて
「僕は運が良かった。」
関わってくださっている皆様へ感謝。
⑨最後に
サロンコンセプト、理念として
「ヒトとのつながり」
としています。
これから共に働くスタッフ
担当させて頂くお客様
ディーラーさんや街の皆様
「僕たちに関わりをもってくれるたくさんの人達とのつながりを一番大切にしたい」
そんな想いを込めました。
(ブッ○してやるとか言ってたのは忘れて下さい)
これから開業する美容師さんに関わる全ての人へ感謝しましょう!なんて善人ぶった事を言うつもりはありませんが、
僕はたくさんの人が自分のために動いてくれている所に身をおけたことがすごい良い経験だったと感じました。
まだまだ発展途中。
頑張ります!
以上、今回は長いnoteとなりました。
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