神輝興産のMISSION、VISION、VALUES
こんにちは。(有)神輝興産、代表の中憲太郎です。
新年度を迎えるにあたり、弊社のMISSION、VISION、VALUES(以下MVV)を刷新いたしました。新しいMVVは以下のとおりです。
VISION :共創(コ・クリエーション)
MISSION :インフラの安全を守り、より良い社会をつくる
VALUES :Be Challenge、For The Team、Be Professional
刷新したMVVについて、どのように考えてつくったのか、どのような思いを込めたのか。今回は新しくMVVを練りあげるにいたった背景(想い)について書こうと思います。
会社は舞台
MVVについて説明するまえに、わたしの考える会社の定義について述べたいと思います。そもそも会社とはなんでしょうか。なんのために存在するのでしょうか。
社会貢献をするため、同じ志をもった者が集まるためなど、いろいろな解釈があると思います。それらはどれも間違いではないでしょう。いろいろな捉え方があるということです。
では、わたしはどう考えるのか。わたしの考える会社の存在理由、それは「人が輝くための舞台」です。個々人が自分の持っている個性や強みを発揮して、仲間とともに輝く。そのために会社は存在すると考えています。
輝くとはやや抽象的な表現かもしれません。もう少し具体的にいうと、輝くという意味のなかには、「成長」もあるでしょう。「活躍」もあるでしょう。「仲間とともに思ってもみなかったことを成し遂げる」、なんてこともあるでしょう。
そういった輝く体験ができる場所。会社とはそういう場であると思っています。
スタッフたちには神輝興産という舞台で輝き、人生をたのしんでほしい。心からそう願います。
MVV策定の基本的な考え方
さて、冒頭で紹介したMVVとは、神輝興産という舞台を運営していく上での方向性を示すものです。つまり、どのように考え、行動すればスタッフたちがより輝けるのか、行動指針を明文化したものです。ここでのポイントは、働くスタッフたちが主役であり、MVVはそのための手段であるということ。MVVを掲げることが目的ではありません。MVVはあくまで、スタッフがより輝くための舞台を整えるためのものです。
では神輝興産という舞台をどのように整えればいいのか。そう考えたときに思い浮かんだ軸が、個人と組織、気持ちと結果という組み合わせです。
個人と組織、どちらが大切でしょうか。あるいは、気持ちと結果、どちらが優先されるべきでしょうか。
日本社会においては、組織と結果が重要視される傾向があるように思います。一方でわたし個人の傾向としては、個人の気持ちを重視してしまいがちです。しかしながら、どちらにせよ、このような偏った考え方では、組織のなかで個人が犠牲になってしまう、あるいは個人が優先されるために、結果に結びつきにくくなるなど、会社を運営する上で支障をきたすことが予想されます。
会社という舞台を整えるためには、個人も組織もそして、気持ちも結果も、すべて大切なのです。バランスをとる必要があるのです。
個人も組織も、そして、気持ちも結果も大切にするために、今回は「インテグラル理論」というものを参考に考えました。(ここでは、インテグラル理論を用いたMVVの作り方の詳しい説明はしませんが、知りたい方は文末にリンクを載せていますので、ご参照ください。)
下図のように、縦軸に「個人と集団」、横軸に「内面(気持ち)と外面(結果)」をとり、4象限をつくって考えます。それぞれの象限ひとつずつに注目して、神輝興産という舞台が大切にする価値観を言葉にしていきます。
個人×内面=『Be Challenge』
個人×内面の象限で大切なのは、個人の思いや情熱です。なにをやりたいのか。なにに喜びを感じ、情熱を注ぐのか。これらを考える必要があります。その気持ちを会社として後押ししたい。そこで出てきたのが「Be Challenge」です。
なにごともやってみないと始まりません。まず自分からやってみて、体験してほしい。訪れる変化を楽しんでほしい。そのためにも、チャレンジして、もし失敗しても拍手できるような組織にしたい。失敗を許容する文化を築きたい。その思いを込めて、「Be Challenge」としました。
チャレンジに失敗はつきものです。その失敗を気にすることなく、たのしんでチャレンジできるよう、会社としてもサポートしていきます。
集団×内面=『For The Team』
集団×内面で大切になるのは、チームワークです。ひと言でチームと言っても、いろいろなチームがあるでしょう。
私たちの目指すチームとは、相乗効果の生まれるチームです。このとき、とても大事なポイントは個々人がもつ「強み」です。強みとは誰もが生まれながらにもっている個性です。その強み(個性)を掛け合わせることで、相乗効果が生まれるよう後押しします。
ひとりでできることはたかが知れています。仲間がいるから、やれることが増える。相乗効果が生まれるからたのしく働ける。『For The Team』にはそういった思いを込めています。
スタッフ一人ひとりの「強み」を知り、活かせるよう、わたしも『強み診断士』の資格を取得しています。今年度はさらに『強み研修』を行い、相乗効果を生むための基礎づくりをしていきます。
個人×外面=『Be Professional』
個人×外面の象限で大切になるのは、結果へのこだわりです。私たちがこだわりたいポイントは「信頼」です。これはすべての仕事に共通して言えることですが、信頼はなによりも大切です。信頼無くして仕事はできません。とくに神輝興産の事業であるインフラの点検では、点検員のモラルや技術力に結果が左右されやすい事業でもあります。だからこそ、信頼がもっとも大切であると言えます。
また我々の仕事は、社会インフラを守るための大切な仕事であるということ。ここに誇りをもっていいと思っています。プロとして誇りをもって目の前の仕事に向き合い、信頼していただける仕事をしてほしい。信頼していただけるから、やりがいをもって働ける。このような想いを込めて『Be Professional』としました。
集団×外面=『インフラの安全を守り、より良い社会をつくる』
最後の象限、ここは社会への価値提供を示すところです。どのような価値を社会に提供しようとしているのか。どんな使命をもっているのか。言い換えればMISSIONに相当するものです。
我々神輝興産は、橋梁点検事業を主な活動としています。この橋梁点検を通じてインフラの安全を守ること。これが使命です。
インフラの安全を守ることを通じて、より良い社会をつくっていく。これが我々神輝興産のMISSIONです。
MISSIONとVALUESのまとめ
ここまでをまとめると、以下のようになります。
・個々人が存分にチャレンジでき、
・強みを生かしてチームのために行動し、
・個々人がプロフェッショナルとして信頼を獲得し、
・それが組織の成果となり、他者や社会に貢献できる。
これがわたしの信じる強い組織です。
VALUESで示した企業価値・行動基準に沿って、目の前のMISSIONに向き合っていく。そうした日々を積み重ねた先にあるのが、『共創』というVISIONである。わたしはそのように考えています。
VISIONへの思い
共創とは、様々な人々と協働することで、共に新たな価値を創造することです。人類にとって、地球にとって、より良い生活、より良い社会を、共創によってつくっていきたいということです。
まずはスタッフ一人ひとりが自立をしてほしい。そして、その先にある自分のやりたいことや解決したい社会課題に、それぞれが取り組んでいってほしい。そのサポートを神輝興産でできればと思っています。
最終的には、誰かが「こんなことやりたい!こんな社会問題を解決したい!」と声をあげ、それに賛同する人が集まってきて、ものごとが進んでいくようなチームを目指します。キャンプファイヤーのように、火がつくとそのまわりに人が集まるイメージです。組織論で言えば、グリーン組織やティール組織です。自然発生的に出来たチームで社会課題を解決していき、より良い生活やより良い社会をつくっていく。これがわたしの考える『共創』であり、実現したい世界観です。
おわりに
わたしは小学5年生のとき、阪神淡路大震災を経験しました。当時わたしは2階建てのアパートの1階に住んでいましたが、地震で1階部分が崩れ、ぺしゃんこになりました。
潰れてきたアパートに両足が挟まって身動きがとれなくなり、両親は生き埋めになりました。助けを呼んでも誰も来ず、4,5時間が経過したのち、最終的に助けてくれたのは近所の方でした。近くのお風呂屋さんからジャッキを借りてきて、アパートを少しジャッキアップして隙間を広げてもらい、助け出されました。そのあと、両親も奇跡的に無傷で助け出され、父はすぐにまだ生き埋めになっている人たちを助けに行きました。
この地域の人達でお互いに助け合い、救助・復興した経験が原体験となり、インフラを守りたいという想いのもと、建設業界に入ることになります。
いま現在、当たり前にあるインフラは、誰かがつくってくれたものです。その当たり前も、誰かが守らなければ続いていきません。
たとえ目立たなくても、インフラという当たり前を守りたい。そして会社を、働く人たちの輝ける場所にして、共創という世界を実現させたい。これが、わたし個人が会社を経営する上で大切にしている想いです。
インテグラル理論参照:http://naobit.me/archives/3980
有限会社神輝興産:https://www.shinki-ktr.co.jp/
代表 中憲太郎:https://twitter.com/ktr_kenaka
取材・言語化・見える化:大谷信(https://twitter.com/OtaniMkt)