【詩】おなじ貌
希望であれ 絶望であれ それをきみと語り合う日は来ないだろう
心療内科の皮肉めいたパステルカラーと
それが建つ 日照量不足の土地と
思い出話など友人の顔をした退廃に過ぎない
――化け物め
化け物のくせに 化け物に――化け物にさえ生じる責任にたじろいでいる
或いは敗走か ひと思いにというやつか
つまりは語り手から語り手への変装だ
偉大なるきみは 空とかいうものの下で 猫でも撫でて暮らすつもりか知らないが
結局は別の形で悪事を完遂するだろう
既にして幾度目かの清書の末 二層目の皮膚が薄っすらと透けてみえているんだ
おい そこに化け物の貌は覗いているか