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夢貧乏


とある南国、高級ホテル。
クーラーの効いたスイートルーム。
スイーツ頬張り海眺む。
流れる記憶が水平線に
スイスイ滑ってやってくる。

全てを手にした今だから、
体一つで生きていた
あの体たらくを懐かしむ。
昔むかしのことでもないが
言葉も出ないあの感情。

一文なしで家もなし
見境なしに仕事探し
汗水垂らして西東
しかし止まらぬ勇足

何も持たざる日々の中
唯一あったものがある。
全てない頃、夢だけあった。
たった一つの夢だけが。

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