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繊細がスタバでできないこと5選

① スタバに行く

入るまでに緊張するカフェNO.1がスタバである。シアトル発のオシャレシティボーイ&ガールを虜にしているスタバに、私みたいなダサい田舎出身のBBAが入ってよいものか、いやよくないよな、でも入りたいな……と葛藤した挙げ句、結局ドトールやエクセルシオールカフェに落ち着く。私みたいな者がスタバに入るためには、まずスタバに入るための服を新調してから望まねばならない気がするのだ。かと言って服屋さんで「どこに着ていかれるんですか〜〜?」と聞かれ「スタバです」とは言いにくい。でももし「スタバですね、それでしたら、こちらの洋服なんていかがですか〜〜?」と薦めてくれたら、その店員さんのこと大好きになっちゃうな……

② スタバ店員さんに優しくする

奇跡的にスタバに入れたとしても、レジで陽キャな店員さんから接客を受けるという最難関が早速くる。スタバでは従業員のことを「パートナー」と呼ぶらしく、その時点でだいぶ意識高い系なのだけど、さらに「こんにちは↑」と陽キャな挨拶をしてくる。このとき、「こここここ……こんニチワ……」と、まるでアイドルの握手会にきたヲタクのように「シュ病(アイドルを前にすると何も言えなくなる病)」を発病してしまう。まさか「はいお時間です〜〜」と秒で店員さんからはがされてしまうのではないか……?と不安になるほどのまばゆさなのだ。さらに可愛い笑顔で笑いかけてくれたり、カップにメッセージを書いてくれたりするんだけど、そんなファンサービスを無料で受けさせてもらうって、これは合法なのだろうか…?

③ カスタマイズする

スタバのメニューには、まあややこしい横文字が並んでいる。一度、キャラメルマキアートのホイップを多めにしてもらおうとしたら「キャラメルマキアートにはホイップがついていないので、追加料金になります」と言われて死にたくなった。「こいつ、キャラメルマキアートの存在を昨日知って、オシャレな響きだけで頼もうとしてるな……」と思われてたらどうしようと思い、それからスタバでカスタマイズはできなくなった。(むろん、キャラメルマキアートも飲めなくなった)今は可もなく不可もなさそうな「ソイラテのトールサイズホット」に落ち着いている。ホントは「トール」とかも言いたくないし、せめて「M」がいいけど、それすら許してくれない空気があそこにはあるのだ。

④ スタバで寛ぐ

いざ席に着いてまわりを見渡すと、オシャレさんたちが思いおもいの時間を過ごしている。談笑していたり本を読んでいたり手帳をつけていたり。「その空間になぜか私も混ざってしまった」と思うと、緊張して飲みものを飲む手も震える。そもそも、ホットのカップの飲み方が難しい。飲み口が狭くて口紅がベッタリついてしまうので、通りすがりの誰かに「飲み方汚いな〜〜」と思われたらどうしようと思い、なかなか飲めない。この空間から逃げたくて私も本をひろげてみるんだけど、何にも頭に入ってこない。さっきと同じ行を読んで、「あ、ここさっきも読んだな」と一向に先へ進めず、飲めない・読めないで焦りが止まらなくなる。まだ数分しか経っていないが、もうきつい……ドリンクを持って外に飛び出そう……

⑤ スタバのカップを持って街を歩く

そして、街に飛び出して後悔する。ちょっとまってくれ、今私まわりから、"身の丈に合わないスタバのカップを持って街を闊歩している、調子にのったBBA"に映っているんじゃ……?そんな妄想が始まると、みすぼらしい格好で外を歩いていること自体、申し訳なくなってくる。みんながせっかくオシャレをして、スタバを持って、オシャレな街をつくりあげているのに、オシャレ風を装った道化の私が歩いていてごめんなさい。ゴミは持ち帰りますし、なるべく歩道の端っこのほうを歩かせていただきますので、今日だけお許しください……と思いながら、スタバのカップをなるべく他人に見られないように気をつけながら家に帰るのだった。

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