【ボカロ曲から詠む短歌】儚くて、切なくて、美しくて
香椎モイミ feat. 狐子「破壊少女」から
香椎モイミ feat. 音街ウナ「初恋日記」から
香椎モイミ feat. 初音ミク&巡音ルカ「Makeup」から
あとがき
こんにちは。桜小路いをりです。
今回の記事では、ボカロ曲から短歌を詠んでみました。
(できればシリーズ化していきたい……という希望を込めつつ)第一弾は、大好きな香椎モイミさんの3曲から、それぞれ1首ずつ。
ここからは、ひとつひとつ、簡単にあとがきを書いていきます。
1、靴底に土 アザレアの骸にはあの日の君の笑顔が透ける
想いを寄せる人の「生命活動の維持」のために破壊行動を起こし続ける少女の姿を描いた曲、「破壊少女」から着想を得た短歌。
「アザレア 踏みつけて Sigh」という歌詞が印象的だったので、その部分を切り取って膨らませてみました。
「アザレア」はお花の名前で、花言葉は「恋の喜び」。
それを踏みつけるということは……と、想像が膨らむ一節なので、私なりに、使命感に駆られて破壊行動を続ける彼女の悲哀を落とし込んでみました。
2、この恋に望みはないと知っていた 切なさだけでノートが染まる
「初恋日記」というタイトルの曲なので、主人公の女の子が募らせた想いを綴る「日記」をイメージしてみました。
サムネイルの黄色いチューリップが印象的だったので、「望みのない恋」という花言葉を詠み込んでいます。
「香椎モイミさんと言えば」で私がいちばんに思い浮かべるのは、切ない雰囲気とダークな雰囲気とが共存する世界観。
歌詞に描かれている、ちょっと病的なくらい恋に溺れていく女の子の「病み」と「闇」の雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。
3、目尻には弱さを隠す漆黒を 頬には恋を隠す光を
初音ミクちゃんと巡音ルカさんのデュエット曲「Makeup」をイメージした短歌。
メイクの過程をなぞる歌詞が印象的だったので、それを踏襲して詠んでみました。
「目尻には弱さを隠す漆黒を」という言葉は、「アイラインをどうぞ強気に引いて頂戴」というフレーズから。
「頬には恋を隠す光を」は、ハイライトのイメージです。
紅潮した頬の赤さをキラリとした光で飛ばすような、そんな想像を巡らせていただければと思います。
まとめ
香椎モイミさんは、メルヘンチックな雰囲気、ダークな雰囲気、美しくも儚い雰囲気など幅広い曲を手掛けていらっしゃいますが、どれも、歌詞の中の登場人物たちの繊細な心理描写が魅力。
その世界観を、私の短歌で少しでも表現できていたら嬉しいです。
それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
また私のnoteで、お会いできたら嬉しいです。