YOASOBI「KEEP OUT GALLERY @Ginza Sony Park」帰路にて。
こんにちは。桜小路いをりです。
今回の記事は、先日行ったYOASOBIの「KEEP OUT GALLERY PRODUCED BY VI/NYL」の帰り道に書いたものです。
YOASOBIの魅力を改めて考えさせらた、素敵な空間の余韻に浸りながら、言葉を選びました。
イベントレポートにはほど遠い、ただただ私が「YOASOBIが好き!」と訴えるだけの備忘録ですが、ぜひお付き合いください。
YOASOBI「KEEP OUT GALLERY PRODUCED BY VI/NYL」
「KEEP OUT GALLERY」は、現在工事中のGinza SONY Parkで開催されている、YOASOBIの写真展。
こちらの写真集のリリースに先駆けて、「VI/NYL」のプロデュースで開催されました。
YOASOBIの曲のインストロメンタルが流れるコンクリートの空間に、お二人の写真がたくさん飾られていて。
YOASOBIの5年間の軌跡を感じるインタビューも掲示されていて。
胸をいっぱいにしながら見て回りました。
「工事中」というシチュエーションとイベントの名前からも分かる通り、YOASOBIがいちばん最初に開催した配信ライブ「KEEP OUT THEATER」と地続きのようなイメージ。
また、「まだまだYOASOBIは完成形じゃない」「今まさに、『つくっている』真っ最中」「これからも『つくっていく』」というメッセージも、暗に示しているような。
そんな印象もあって、なんだか、改めて「YOASOBIを好きでいてよかった」「YOASOBIのファンになれている自分、めっちゃ幸せ者」と思える催しでした。
(展示に夢中で確認しそびれたのですが、恐らく「KEEP OUT THEATER」のセトリのインストが流れていました。大きな写真でAyaseさんとikuraさんのファッショナブルな姿を見られて嬉しかったです。『VI/NYL SUPER YOASOBI 5TH ANNIVERSARY BOOK』、手元にお迎えするのが楽しみです。)
YOASOBIの魅力を再考する
私が思うYOASOBIの魅力は、「頼もしさ」です。
例えるなら、地面にしっかりと根を張った大樹、でしょうか。
どこまでも空へ枝葉を伸ばしていく一方で、見えない土の中にも、緻密に根を張り巡らせているような。
喜怒哀楽だけでは収まりきらない色んな感情を、全部受け留めてくれるような頼もしさ。
大切な瞬間に背中を押してくれたり、背中を支えてくれるような。
それでいて、「特別な瞬間」や「非日常」だけでなく、「何気ない日常」にも寄り添ってくれるような。
それは、やはりYOASOBIが「小説を音楽にするユニット」という前提があるからだと思います。
人の感情の機微を目撃するエンタメ、すなわち「ストーリー」というものが土台にあるからこその魅力ではないでしょうか。
また、これは、YOASOBIの曲が「神曲」と呼ばれる所以の考察でもあるのですが。
YOASOBIの曲って、原作小説の世界観の核を反映しつつも、原作小説を知らずに聴いてもはっとさせられるようなフレーズ、普遍的な言葉が毎回織り込まれているんです。
だから、原作小説を読んでいなくても、心が揺さぶられる。
「この曲を知らなかった頃の自分にはもう戻れない」と思わされるし、それでいて、これまで見たことのなかった世界に手を引かれるような、そんな気がするんです。
曲だけ聴いても十二分に感動できるところに、原作小説を併せて読んでみると、今度は歌詞の真意がするすると紐解かれていって。
「原作を知ってしまったから、もう曲だけを純粋に楽しんでいた心には戻れない」という寂しさも、確かに感じるけれど。
それ以上に、「ほら、まだ知らない世界がたくさんあるでしょ」と、さらなる魅力ある場所に連れて行ってもらえるような、より楽しい場所に引き入れてもらえたようにも感じられます。
そのうえで、YOASOBIが色々な場所で(YOASOBIとしてのライブはもちろん、フェスへの出演、テレビ番組などもそうです)その曲をパフォーマンスするようになると、ライブアレンジされたり、ikuraさんの歌い方がちょっとずつ変化していったりもして。
YOASOBIと、YOASOBIが創り上げた曲とが一緒に成長して大きくなって、色づいていくところを見られるのが、これまた嬉しくて、幸せだったりします。
「楽しい」方向へ、「ドキドキする」場所へ
また、これはもうAyaseさんとikuraさんの人となりといいますか、お二人が纏う雰囲気に拠る部分や、「YOASOBI」そのもののコンセプトが大きい気がするのですが。
「こっちにもっと『楽しいこと』『ドキドキすること』があるよ」と呼びかけられているような、YOASOBIのスタンスからは、そんな印象を受けます。
そう。YOASOBIって、すごくドキドキさせてくれる存在なんです。
その中で揺るがないのが「YO“ASOBI”」であるからこその「楽しさ」。
一本の芯として、「『楽しい』と思える方向へ」という信念が全体に通っていて、「絶対に楽しませる、後悔させない」という強い意思が見える。
表には出てこないけれど、その「楽しさ」をファンに見せるために、相当な努力と苦しさがあるだろうことは、容易に推察できます。
もともと、Ayaseさんは本来ボーカリストで、幾田りらさんはシンガーソングライター。「自分の声で歌いたい」「自分が作った曲を歌いたい」と、お二人それぞれに葛藤がある中で始めたのが、このYOASOBIのプロジェクトだと思います。
でも、「そんなお二人が組んだYOASOBIだからこそ頼もしい」とも、私は思ってしまうんです。
曲作りの辛さや大変さを知っている幾田りらさんだからこそ、ikuraさんとして、めいっぱい自分自身を小説の中に没入させて、曲と歌詞で織り上げられた世界観を表現することができて。
人前で、大きな舞台で、たくさんの人の心に届くように1曲1曲を歌い上げること、それに必要な精神力がどれほどのものかを、Ayaseさんもきっと知っていて。
そして、ソロアーティストとしてのAyaseさん、幾田りらさんのそれぞれが紡ぐ言葉、曲の端々からは、YOASOBIとしてヒットを飛ばし続けている今までの道のりが、決して平坦ではなかったことが分かります。
傍からは「シンデレラストーリー」に思えるかもしれないけれど、きっとそうじゃない。
時代の風向きと、不意に転がってきたきっかけと、培ってきた実力と、それだけに頼らない努力と、その全部を味方につけられる強さ。
「音楽」という厳しい世界で、乗り越えて、磨いて、走り抜いてきたお二人だからこそ、曲、歌詞、歌声、パフォーマンスに説得力があるんじゃないかなと思います。
YOASOBIの楽曲だけでなく、ソロのAyaseさんの曲、幾田りらさんの曲もそれぞれ大好きだからこそ、私は言いたいです、「YOASOBIって、すごく頼もしい存在だ」と。
10代半ばから今まで、一般的に言えば「不安定で多感な時期」をYOASOBIに支えてもらった私は、もうYOASOBIに出会わなかった自分は想像できません。
YOASOBIを中心に生まれる「輪」が、どんどん広がっていくように。
同じ曲でも、自分の感じ方が変わったりYOASOBIのパフォーマンスが変わったりして、印象が変化していくように。
これから先も、YOASOBIが見せてくれるたくさんのドキドキする世界と共に、私自身も成長していけたらいいなと思います。
結成日から少し経ってしまったのですが、改めまして、結成5周年おめでとうございます。
これからも、YOASOBIの音楽が響いていきますように。