「今年出会えてよかった言葉」を3つ。
振り返ってみると、いつも言葉を探しています。
人生を変える言葉との出会いを、いつもほんのちょっとだけ期待しながら。
本、アニメ、映画、ドラマ、音楽、街の看板、お店のPOP。
身の回りに溢れる言葉の中で、はっとして、いつまでも記憶に残るものは、そう多くはありません。
でも、だからこそ、「出会えてよかった」とも思います。
「今年出会えてよかった言葉」3つは、どれも音楽に関わるものになりました。
ぜひ最後までお付き合いください。
YOASOBI「UNDEAD」より
「UNDEAD」という楽曲の何がすごいって、アニメ〈物語〉シリーズのファーストシーズン「化物語」を見た段階で、「あの歌詞は、こういうことか」と気づけてしまったことです。
私が「ああ」と思ったのは、「蟹」に行き遭ったために体重や感情が切り取られ、たった5kgの体重になってしまった戦場ヶ原ひたぎちゃんが、「蟹」に対して「私の重みを返してください」と懇願するシーン。
苦しくても足掻いて、もがいて、自分にとって本当に大切で必要なものを抱えて、その「重み」と共に生きていく。
何も感じないように、考えないようにしながら惰性で時間を消費するのではなく、苦しみや辛さの中で「幸せ」に絶えず手を伸ばすことこそが「生きる」ということ。
その姿こそが、人らしくて美しいこと。
私は今のところ、〈物語〉シリーズの核をそんなふうに解釈しています。
「幸せになろうとしないなんて卑怯だ」という一節は、出会った瞬間にはっとさせられた言葉であると同時に、〈物語〉シリーズに出会わせてくれて、そこに登場するキャラクターたちの生き様を、たちまち思い出させてくれるフレーズです。
乃紫「全方向美少女」より
「THE FIRST TAKE」で知って射抜かれた、乃紫さんの「全方向美少女」。曲もさることながら、「THE FIRST TAKE」でのパフォーマンスもとても素敵で、お気に入りの曲になりました。
「運命」は、自分ではどうにもできない生まれた日で決まるものではなくて、自分の意思で選んだ服で決まる。
誕生日占いや星座占いに一喜一憂するのではなく、その日その日のラッキーを手に入れるために、自分が心の底から「好き」と思えるものを選び取っていきたい。そんなふうに思えるフレーズです。
クリープハイプのアニバーサリーに寄せた、歌人・木下龍也さんの短歌
この短歌は、あくまで木下龍也さんがクリープハイプのアニバーサリーに寄せた作品ではありますが、どんなアーティストさんにも当てはまるように思えてなりません。
今年は、私の推しのYOASOBIが結成5周年、SixTONESが結成とデビューの周年に合わせて「Raise our VIBES year」に突入した年でもありました。
他にも、たくさんの素敵なアーティストさんやコンテンツ、エンタメに出会って、好きになって、幸いなことに、記念の瞬間を見届けられる機会にもたくさん恵まれました。
そのひとつひとつが、かけがえのない「花」であるし、記念日に届けてもらったものならば、なおさらそれらを大切に胸で束ねて、花束にしたい。
出会った瞬間、胸がいっぱいになった短歌です。
来年もきっと、言葉を探す旅になる
この記事を書いていて、「もしも去年の私が、今年の私と同じものに出会って生きたとしたら、これらの言葉を選ぶだろうか」とふと思いました。
もしかしたら、この3つの言葉は今の私にこそ必要なものであって、去年の私は選ばないかもしれません。
「今年出会えてよかった言葉」の記事も4回目になって、その記録のかけがえのなさを感じました。
去年の記事も貼っておきますので、よろしければぜひ。
来年も、素敵な言葉にたくさん出会えますように。
人生を変えられちゃうような、変えられてもいいと思えるような、そんな言葉との出会いをほんの少し期待しながら。