コロナ禍のパフォーマンス
最近やっと、「もっとうまくできるはず!」と
完璧を求めてしまうのが、独りよがりだったと気づいたんです。
Shinjuです。さて今回は距離感をとったマジックショーについて。
実は3/20(土)にそっとマジックショーを再開しました。
Onlineでのショーはお客さんの本当の真意を感じることは難しく、
私にはライブが必要で楽しみにしていました。
今回はそんなライブを通じて感じたことを綴ってみます。
避けるべきコンテンツ
今回は初めてソーシャルディスタンスを保つことが求められる中で行い、様々な工夫がきっと必要なのだろうなと思いました。マスクの着用はもちろんのこと。それによって実は避けるべきマジックも出てきました。
・舞台に上げること。
・口元を使うマジック。
・大声を使ったパフォーマンス。
こういったことはなるべく避けつつ、
距離感を保って演じることが求められます。
ライブにおいては「距離感」が面白くなる演出が必要で、オンラインでやるのであれば「画面越し」という制約を逆手にとって面白くできるとベストです。いずれにしてもお客さんにとって、扱っているモノを手渡しできないことはリアルさに欠けてしまうのです。ここまでは誰でも想像がつくと思います。そこをどう解決するのかが腕の見せどころです。
他のエンタメ事例
現在、オンラインでもリアルの現場のショーでも、一番お客さんにとって「わッと」なる瞬間は、お客さんの手元でマジックが起きることです。つまり、マジシャンが一切手を触れずに指示に従って行うとイフェクトが起きるモノです。マジックの用語では「セルフワーキング」と呼ばれるものが近しいでしょう。
私もまだまだ探っておりますが、
他のマジシャンがどんなものを扱っていたか。調べてみました。
・ Verbal Magic by Juan Tamariz
こちらは洋書ですが、タマリッツがラジオ越しに演じたマジックです。実際に読んでみると、スペインらしいスピリチュアルな演出も多くセリフに工夫が必要そうですが、原理自体を理解することはいいと思います。
参考までに石田隆信氏のコラムが参考になります。
・David Copperfield
いずれも画面に指で押さえ、工夫した演出です。
TVの視聴者も「参加」している感覚を楽しめます
・Cyril Takayama
セロが演じるセルフワーキング。こちらも非常に巧妙なマジックです。
私は最後の「遠近法」を活かしたアイデアと組み合わせた演出は好きです。
他にもInstagramであればjeki yooの存在は見逃せません。
ほぼ毎日更新しており、ポップで笑える種明かしをしてくれます。
マジックの裏側を見せる動画が現代のマジック動画では潮流のようです。
紹介した事例はいずれも、メディアを介したマジックの事例です。
実際の現場ではお客さんと距離をとるからこそ面白いマジックが必要です。
私が思うにイフェクトであれば「トス・アウト・デック」のような客席が舞台になるもの。メソッドであれば「フォース」「エキボック」を活用したマジックが有効かも知れません。
これからのエンタメ
マジックに限らず、どうしても観たいものだけ観に行くということがこの先のスタンダードとなる気がしてなりません。例えば、演劇が好きな人は、オンラインのメリットを享受しながらも、『劇場で同じ空気を味わいたかったな』と憧れを抱き、客席に座る感動を思い出すでしょう。マジックもきっと同じです。zoomでショーをする人は増えつつありますが多くはありません。
オンラインでのショーではまた新しい技法やパフォーマンススタイルが確立されるように思います。正直、現代はTiktokやInstagramにしても短いコンテンツが溢れかえり、「思考」する知的な面白さよりも、「感情」で注目を集めるコンテンツがアルゴリズムの中でも評価されてしまいます。本来、本質的に面白い隠喩であったり、文脈的な面白さはどうなっていくのだろうと思いますが、時代の流れに従い適応していくしかありませんね。
頑張っていきましょー。