立教大学で講師を2年やってみての学び
こんにちは!
先日、立教大学で講師として活動させていただき、2年目が無事に終わりました!2年間やってみての学びをnoteに書き留めたくなり、久しぶりに更新します。
本noteは、リーダーシップや組織開発、チーム作り、プロジェクト型学習(PBL)などのキーワードに惹かれた方にぜひ読んでいただきたいです!
本noteのppt形式のリンクも貼っておきます!
1. 立教大学の講師になるまでの経緯
私自身は、多様な社会人と教育現場をつなぐプラットフォーム「複業先生」を運営する株式会社LX DESIGNに所属しています。
それと同時に、複業活動家として、杉並区の教育関連の仕事をしたり、経営者・管理職向けのコーチ、スタートアップ向け経営支援や大企業向け新規事業開発などもしています。
私が複業において大事にしているポリシーは「ご縁を大切にする」ということです。
今回の講師の件も、たまたまコースリーダーの先生と私に共通の知り合いがいて、その方を経由してご縁をいただきました。
2. 私が担当した科目「グローバル・リーダーシップ・プログラム」とは
皆さんは、「リーダーシップ」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
例えば、かの有名なドラッカーによると、次のように定義されています。
人によっては少し抽象度が高いかもしれませんね。
立教大学の授業では、この「リーダーシップ」の概念を大学生にも分かりやすく、理解しやすいように、プロジェクト型学習を通して学びを深めていきます。
立教大学が考えるリーダーシップは役職/権限/カリスマ性に関係なく、誰もが持っていて、誰もが発揮できる『スキル』と定めており、リーダーシップモデルを以下の最小3行動としています。
3. この科目の特徴
この「グローバル・リーダーシップ・プログラム」(通称、GLP/ GL101)は20クラスで運営されています。また、教員・職員・学生が協働して、プログラム運営と改善を実施しています。
ポイントとなるのは、「学生がStudent Assistant(SA)として授業設計や運営に関わっている」という点です。つまり、授業そのものの運営を教員中心ではなく、学生中心で行われているのです。
もちろん、教員が適宜介入しながら授業支援をしていくのですが、あくまで学生(SA)が学生(受講生)に授業をするというのが最大の特徴です。
4. GLPの何がすごいのか?
学生(SA)が1クラスの学生(受講生)を受け持つというシステム、本当にすごいなに尽きます。
しかも、GL101というPBLによるリーダーシップ入門の科目は、企業から出題されるプロジェクト課題に少人数のグループで取り組み、その中で受講生全員がリーダーシップの発揮を試みます。
つまり、学生(SA)はクラス内の各グループに所属する受講生1人ひとりがリーダーシップを発揮できるように支援することが求められます。
これ、企業での活動に置き換えてみるとイメージしやすいと思うのですが、いきなり20人前後のマネジメントをしていくというチャレンジを学生(SA)がしているということです。普通にすごくないですか??
もちろん、その過程で教員が支援をするわけですが、あくまで主体は学生(SA)なのです。
しかも、それだけではありません!
上述の20クラスのコースの統括をしている教員を支え、コース全体の設計支援を行う学生(CA)という役割もあります。(パンフレット参照)
つまり、各クラスの授業運営をする学生(SA)と20クラスのコース全体を設計支援する学生(CA)が教員と一緒に授業を作っているということです。
5. 講師をしての学び
昨年から講師として活動させていただく中で私が学んだポイントは次の3つです。
学生(SA)の変化・成長を通して、私自身が成長・学びとなる
組織開発の好事例としての学びが深まる
多様な人材が集まる教員コミュニティ
まず、1については記載のとおりですが、学生(SA)が受講生と向き合う中で、様々な葛藤を乗り越え、自分らしいクラス作りをしていくのを横で見て、一番私自身の成長・学びとなりました。
受講生で気になる・ケアが必要そうな人がいればその相談を前のめりにしてくれますし、成果を出せるようにチームに伴走したり、その伴走に教員を上手く巻き込んだり…と挙げ出すとキリがありません。
この背景にあるのは、学生(SA)自身という視点ではなく、クラスという単位で物事を常に見ているからなのかなと感じました。
次に2について。
まず、そもそもこのGLというコミュニティが本当に素晴らしいです。教員・SA・CA・事務局がそれぞれの強みを活かしたり、悩みや不安も受け止めてくれるコミュニティになっており、とても心理的安全性が高い組織になっています。
ここでの組織開発の方法は自社での組織開発にもとても影響を与えてもらった気がしています。
おそらくここまで良い組織になっているポイントは、年齢関係なく関係性のフラットさがある点や受容・承認で溢れている関係構築、応援し応援される仕組みが整っているところにある気がしています。
最後に3について。
教員は20クラスいるので、20人います。大企業の方もいればスタートアップの方もいたり、年齢も20代から50,60代くらいまでいらっしゃいます。このGLで学生(SA)を支えたい!という思いに共感・共鳴した人が集まっています。
だからこそ、多様なバックグラウンドの人が多角的・多面的な視点から授業作りをしていくため、多くの学びにつながりやすいのだと思います。
6. 今後に向けて
2024年6月に政府より発表された骨太方針では「初等中等教育段階における探究的・文理横断的・実践的な学びの推進や理数系教育の推進、情報教育の強化・充実」、新しい資本主義実行計画では「グローバル思考のスタートアップの担い手を育成するため、海外派遣も含めアントレプレナーシップ教育を質・量ともに充実」することが掲げられております。
つまり、これからの日本の活性化に向けて、ますますアントレプレナーシップ教育を推進していくときに、「リーダーシップ」の概念は必要不可欠だと思います。
立教大学が提供している、この「リーダーシップ」の考え方が初等中等教育段階等、もっと早期の段階にも展開されていってほしいなと思っていますし、それに少しでも貢献したいなと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました!