第68話 「お世話になりました。」
(松本市民タイムス リレーコラム 2021年5月5日掲載分)
2015年から6年間に渡って書かせていただいたこのリレーコラム、僕の担当は今回が最終回となります。
長かったような短かったような。もう6年も経ったんだなぁと感慨深く感じています。
もの作りの人だから何か面白いことを書くのではないかとスカウト?されてのスタートでしたが果たしてそれらしい話ができたでしょうか。
「木と音と人と」。そんなもったいぶったテーマで書き始めたコラムですが、案外多かったのはお酒や食べ物の話だったような気もしてお恥ずかしい限りです。何かの雑談のネタにでもなったら少しはお役に立てたというところでしょう。
それにしても6年に渡ってコラムを書かせてもらったことは、やはり貴重な機会だったなと思います。改めて読み返してみると我ながら良い話しだなと思える月もぽつぽつとあって、そんなコラムが書けて良かったなと思います。
もうひとつ、コラムを書き続けて楽しかったのは、思わぬところで読者さんと遭遇すること。
街なかの居酒屋で突然「コラムのファンです!」と声をかけてもらったこともありました。記事中の小さな写真でよくわかったなぁとビックリ。
取引先や知人から、「いつも楽しみに読んでるよ」と言われるのは嬉しいようなこそばゆいような。
何年振りかでばったり会った友人に「久しぶりだねぇ」と言うと、「いや、こっちはいつもコラム読んでるから久しぶりな気がしないなぁ」なんて言われたり。
でもやはりコラムを書いていて一番うれしかったのは、離れて暮らしている母が毎月「コラム読んだよ」と電話をくれることでした。正直に言えば、それが無かったらもう少し早く降板を申し出ていたのかも。良い機会をありがとうございました。
最後に少し宣伝を。工房を移転した記念に、美しい蓼科の風景を何とか楽器のデザインに織り込めないかとインレイ(象嵌細工)作家さんとのコラボで限定8本の特別なウクレレを作りました。そのうちの1本が現在松本パルコの島村楽器に展示されています。5月10日ころまでは店頭で見ることが出来るはずですので、お出かけの際に立ち寄ってご覧いただけると嬉しいです。
最近は楽器の展示会も開催が難しいので、僕の製作した楽器を見ていただける数少ない機会になると思います。
セイレン工房のホームページやSNSにも8本の移転記念モデルの画像を載せてあるので是非ご覧になってください。
では、またお会いできる時まで皆さんお元気で!