始まり(八ヶ岳への移住)
森の中、あるいは小高い丘の上にポツンと佇む工房、というイメージはずーっと昔から胸の中にあって、でもまぁどちらかと言えば具体的な目標とかいうものでは無くて、漠然とした憧れとして時々ふと頭の中にその風景が蘇ってきたりする。
つい最近も、山の中に住む木工作家、田淵義男さんの本を読んでその思いがまだ心にあることに気がついたし、今週もぶらりと八ヶ岳をドライブしている時に妄想がずいぶん膨らんでしまったりした。
セイレン工房は松本というとても素敵な街にあって、朝夕に眺めるアルプスは誰に対しても自慢できるし、程よい田舎暮らしという意味でとても暮らしやすい。
でも、実際はマンションと工房との行き返りは無機質な国道を10分ほど走るだけで、季節の移り変わりは少し郊外に出ないと実感できない。ちょっとつまらない。
若い頃からの「いつかこんなふうに暮らせたらいいな。」という思いは、50代も後半になってくると「いつか、っていつだ?」という疑問を伴ってくる。
今のままずっと暮らしてて、それで例えば5年とかでそのまま死んじゃったりしたら。漠然とした憧れを、憧れにしたままに墓に入ってしまうとしたら。
なんかそう思うとちょっと切ないのよね。
でもマンション暮らしは気楽だし、食事に行くのにも病院に行くのにも便利。歳をとった生活にこそ街中がいいはず。
森の中に暮らして買い物も不便で、自分で薪割りして暮らすなんて無理むり。大体、生活変えるにはすごくお金もパワーも必要になる。
そう思うんだけどねぇ。。。(笑)
どっか八ヶ岳あたりにほど良い空き工房とかないかしら。
でもさ。こういう事って、こうやって書いちゃうと動き出しちゃったりするのよね…。
怖いわ。(笑)
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3年前の56歳のとき(2018年)にふと思ってFacebookに書いたのがこの文章。
当時は仕事も順調に忙しいし、駅近くのマンションに住んで買い物も食事も飲みに行くのもとても便利な生活をしてた頃。
忙しかったからこそと言うべきなのか、週末になるといつもコンクリートのマンションを脱出して緑が見える風景の中に居たくて車を走らせた。
白馬方面や乗鞍、木曽方面、そして八ヶ岳エリア。特に八ヶ岳西南麓の蓼科や原村あたりは、八ヶ岳の裾野の穏やかな風景が好きだった。
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そして程なくして僕は八ヶ岳の裾野、蓼科で通りすがりの土地に一目惚れし、移住計画が本格的にスタートする事となる。
思えばこの時が移住計画の始まりだったんだなと、今になって感慨深く思ったりする。
文章にすることで、自分の心の中の漠然とした気持ちを整理し、改めて認識することが出来る。そしてそこがスタートになる。
ねぇ…走り始めるのは、今、ですよ。
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最近ふと、移住の顛末や今の八ヶ岳での暮らしを、仕事と別のブログに書き綴ってみようかと思って整理を始めてます。
少しずつ増やしてくんで、お暇なときに覗いてみてくださいな。
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