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小山伸二
2016年6月27日 23:56
ラジオから詩人の歌が聴こえてくるたかだか三十分か一時間人生にはすき間ができてどんなひとでもそのすき間のなか夕暮れどきの空からの贈り物をうけとることができるんだやっぱり歌だよねえDJはそこで力をこめて呟いたひとが生まれてたかだか二十万年かそこらことばを使えるようになってたかだか六万年やっぱり歌だよねえって、ぼくたちは夕暮れどきにひかりと影につぶやいてきたんだね
2016年6月25日 20:57
六月の雨にうたれてぜんぶ消えてしまえばいいんだ恋人をうしなった夜も朝も出がらしのコーヒーにじゃぶじゃぶお湯をぶっかけて濡れた地面でダンスしよう海からも遠く山も川も霞んで見えないよどんづまりの箱がたらたらと西に向かっている父の日に手紙を書いのは誰だっけドア付近に陣取っている女の子ふたりがはしゃいでいるガマガエルみたいカレー屋の男がチラシを配ってるぐるぐる旋回する駅前
2016年6月3日 21:50
この町から旅立ったひと帰ってきたひとこの町にやって来るひと遊んでいるひと道のうえの小石を拾うどこにでもある風景をスケッチするだけのきょうがつづく色とりどに濡れているみどり、しろ、きいろまでが雨上がりの舗道口笛といっしょになって自転車がぼくを追い越していく異国の香りを残してすこしだけ自由にすこしだけ快活に子供も大人も歩いているぼくたちはどのくらい自由なんだろうカフ