見出し画像

暴落に備え覚えておくべき移動平均乖離率を使った逆張り手法の効き具合(以前の記事の補記)


はじめに


本稿は過去記事「2024年8月5日と同程度の過去のショック相場において、買い向かっていたら、その後どうなったのかについての検証。(移動平均線乖離率を使用して)」に対する軽めの補記である。

上記の記事では、東証の時価総額トップ100銘柄において、25期間の移動平均乖離率が-20%を超えるような下落が起きたとき、翌営業日寄付きで買い、価格が25期間の移動平均線に戻ったら手仕舞うという単純な逆張り手法の検証を行い、そこそこ有効(勝率約78%、平均リターン約8%)だということを示した。

しかし、このような大きな下落レベルは10年に一度ぐらいの稀な機会であり、もう少し実用的な水準ならどうなるのか気になって検証を行ったので、その結果をシェアしてみたい。

二つの乖離率の検証を追加


今回、25期間の移動平均乖離率-15%の場合と-10%の場合の二つのケースを追加で検証してみた。取引回数から逆算すると乖離率-15%の場合、3〜4年に一度、-10%の場合1〜2年に一度程度の頻度となる。

-15%乖離率の検証結果


・平均取引回数10.38回
・平均勝率74.59%
・平均PF15.79(←取引回数が少ないのと株式単価の違いで数値が大きく変わるためあまり意味がない数値(高くても喜んではいけないw)。トレード全体の総損失と総利益から修正PFを計算すると1.92であった)
・平均トレードリターン5.64%

-10%乖離率の検証結果


・平均取引回数28.17回
・平均勝率71.15%
・平均PF4.03(←これも(以下省略)。トレード全体の総損失と総利益から修正PFを計算すると4.51であった)
・平均トレードリターン3.10%


まとめ


・勝率は乖離率のレア度が下がるにつれ下降傾向(78%→75%→71%)。
・平均リターンも同様の傾向(8.1%→5.6%→3.1%)。
・逆にチャンス(各銘柄平均取引回数)は増える(4回→10回→28回)。
とまあ、想定通りの当たり前のような結果になってしまったのだが、移動平均乖離率を使った逆張り手法は割と手堅い(勝てる)手法だと思っているので、その確認作業はできた気がする。

図表


以下に前回記事でも示した-20%乖離率の検証結果の再掲と今回検証した-15%乖離率、および-10%乖離率の検証結果を掲載するので、気になる方は参考にして下さい。

・各乖離率の検証結果

前回(-20%乖離率)の検証結果1/3


前回(-20%乖離率)の検証結果2/3


前回(-20%乖離率)の検証結果3/3


-15%乖離率の検証結果1/3


-15%乖離率の検証結果2/3


-15%乖離率の検証結果3/3


-10%乖離率の検証結果1/3


-10%乖離率の検証結果2/3


-10%乖離率の検証結果3/3

・トヨタ自動車(7203)における各乖離率の資産曲線(ストラテジーテスター概要画面)

-20%乖離率における資産曲線:トヨタ自動車(7203)


-15%乖離率における資産曲線:トヨタ自動車(7203)


-10%乖離率における資産曲線:トヨタ自動車(7203)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?