2024年TOPIXコア30におけるRSIパワーゾーン戦略の年間成績
昨年(2023年)も検証した、TOPIXコア30の全銘柄をRSIパワーゾーン戦略で取引してみたらという企画の2024年版である(昨年同様、取引に採用する時間足は日足。200日移動平均線を下抜けたら損切りとしている)。
結果は下記の通り。2024年は11月から銘柄の入替が行われたため、入替がなかった26銘柄+除外される前の4銘柄+新規組入の4銘柄の延べ34銘柄について調査した。
除外された銘柄は10月31日までの検証期間、組み入れられた銘柄は11月1日〜12月30日までの検証期間、それら以外の入替がなかった銘柄は1月4日から12月30日までの検証期間としている。
[検証結果]
前年と比較すると成績が悪化している。プロフィットファクターが1.0以上(黒字)だった割合が76.67%(23/30銘柄)から51.52%(17/33)に低下した(11月に組入となったJTは1回もエントリーしなかったので全34銘柄ではなくて33銘柄で算出)。
また、損益額も2,371,800円から966,500円へと半分以下(対前年比約41%)に減少している。
銘柄毎に取引をみていくと、2024年の成績が不振だった主な要因として、8月5日の暴落の影響が大きいと考えられる。その日の直前にエントリーしていた場合、高確率で200SMAの下に価格が落ちており、そこで損切りルール発動となっているケースがけっこうある(11銘柄が該当した)。
以前も移動平均乖離率の観点で検証したことがあるが、8月の暴落は10〜15年に一度程度しか発生しないレアなケースであり、損切りの設定をしている場合、そこで損失を計上してしまうのは仕方がない。また、下落率が大きかったためその時の損失額も各銘柄の年間収支に影響を与えるのに十分な値幅になってしまったようだ。
逆に8月を跨がなかった11月からの組入銘柄は、数は少ないもののエントリーできた全ての取引で勝ち(黒字)となっており、明暗が分かれた形となった。
[結論]
暴落怖い。
みてきたようにTOPIXコア30銘柄におけるRSIパワーゾーン戦略が急にワークしなくなったのではなく、2024年特有の値動きに翻弄されたと判断するのが妥当と考えられる。これを避けるには、同じ手法で頑張るならロスカット位置や追撃ポジション追加等のルール変更を行うか、まったく性格の違う別の手法との併用を検討すべきだろう(個人的には後者をおすすめしたい)。
例えば典型的な逆張り手法である移動平均乖離率を使った手法は急落時に比較的手堅いと考えられる(急落が大きいほどワークする)。
あるいはガチホ(hodle)するのだって悪くはない(これが手法と呼べるのかという議論はさておき)。今回のTOPIXコア30銘柄を年初に1銘柄ずつ買って(途中の組み替えにも追随)し、年末に売ったと仮定すると、年初に2,700万円ほど資金が必要だが、300万円(約11%)の利益となっている。また今回の検証のものとはまったく資産比率が違うため単純に比較は出来ないが(※下図参照)、TOPIXコア30銘柄のETF(1311野村コア30)であれば年末/年初比率が25.06%の上昇となっており、また、最低10株(約15,000円)から購入できるため手が出しやすい。ガチャガチャトレードするのも楽しいが資産を地道に増やすという目的には沿っていると思う。