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【実践編】経験から学ぶ
マネジャーの成長は、日々の業務を通じた経験によって培われます。 ただし、「経験すること自体が学習であるもの、それが無意識に身につくわけではない」という点をしっかりと準備する必要があります。
一度にスタートした2人の成長度合いに差が生じることがありますが、それは経験をどれだけ効果的に学習してから変換しているかの違いによるものです。
この章では、経験を学び次に変えるプロセスについて解説します。
経験からの学習プロセス
マネジャーが経験を通じて学習するプロセスにおいて重要なのは、自身の行動を内省し、そこから新たな学びを生み出すことです。具体的には、以下のプロセスを経ることになります。
実際の経験を自分なりに真摯に解釈する
その経験がどのような意味を持つのかを絶えず探る
教訓を経て新たなモデルを構築し実行する
一つ一つの項目を段階ごとにみていきます。
経験の段階
経験を既存、より多くの学びを得るためには、どんな細やかな出来事であっても疑問を持ち、その疑問について深く考える姿勢にすることが重要です。
具体的には、次のような問いを自ら投げかけることが有効です。
【具体例】
長年引き継がれているこのルールはこのままでいいのか?
なぜ、今回のプロジェクトはスムーズに進行できたのか?
プロジェクトがスムーズに進んだのは自分が知らないところで誰かが何かをしてくれたのではないか?
日々の仕事の中には、マネジャー自身が学べる素材が無数にあります。それらに意識を向けるだけで、自分の仕事の見え方が大きく変わるはずです。
内省から教訓を得る
成功した際でも、しっかりと振り返ることが重要です。
成功の要因はなんだったのか?
これまで行ってきたプロセスの中にミスはなかったか?
ミスやヒヤリハットがあった際はその原因は何か?
経験を自分の中に取り込み、それを深く意識した上で、意味のあるものとして統合していくプロセスが必要です。
得られた教訓を実行する
内省から教訓を得た後、実行するプロセスの段階で意識しておく必要のあることががあります。
それは、「経験による学習では、自信を持って教訓であっても、拘りすぎずに応用する姿勢が大切である」ということです。
業務の中で自ら得た教訓を活用したり、状況に応じて別の教訓を活用したりすることで、学習プロセスは発展していきます。