「心霊スポットへのドライブ」(短編)

ある夏休み、俺はサークルの友人たちの男女で心霊スポットに行くことになり、話の流れで目的地は俺が決めることになった。

俺はとあるトンネルを選び。
友人たちとは2台に分かれて出発した。
そのとき、俺はイタズラで後からついてくる友人たちには別のトンネルを教えることにしていた。
出発前に気が付かれないように友人の車の後ろに手形のシールを貼った。
これで後から「実はすでに通っていた」と教えてビビらそうって魂胆だ。

夜中のドライブは順調で他に車も少なく、天気の良かったので控えめに言って快適だった。
途中、信号で友人の車と離れてしまったが、目的地は知っているし、大丈夫だろうと思って置いていった。
本当の目的であるトンネルも途中通ったけれど、何事もなく、同乗していた友人にネタばらしをすると女子なんかはキャーキャー言いながらも楽しそうだった。
しかし、嘘の目的地についても、一向にもう1台が来ない。10分待ってもこず、いくらなんでもおかしいだろうと思って電話をかけたが誰も出なかった。

俺は不安になってなんとなく車から降りて、友人たちの車のライトを探し……車の後ろに回ったところでギョッとした。

友人の車に貼ったはずのシールが俺の車に貼られていたからだ。

友人も同じ冗談をしたのかとも思ったけど、俺は荷物を載せるため、乗車前に後ろを開けたからそれはない。
結局、それ以降もう1台に乗っていた友人たちとは連絡が取れなくなり、俺は二度と心霊スポットに行こうなんて思わなくなった。

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