インクを楽しもう★ 遊色インク
私は万年筆と万年筆のインクが大好きですが、最近のインクブームはとても楽しくワクワクさせられます。
今回は遊色インクと言われる、ベースのインクの色から他の色が見えるインクの紹介をしたいと思います。
もう既にご存知の方も多いかと思いますが、セーラー万年筆さんのINKSTUDIO(インクスタジオ)100色インクの中でも人気の、「123」と「162」のインクをご紹介します。
遊色インクとは何か?
まず、遊食インクが何か知りたい人もいるかと思いますので簡単にご説明します。
定義はいろいろあるかと思いますが、私の解釈としては、文字や書いたインクが、ベースとなるインクの色だけではなく、他の色も見える状態を遊食インクと言います。下記のサイトにも少し説明があります。他にも、移ろい系インクとも言われるようです。
遊色インクの火付け役、123の魅力
123のインクはすでにご存知の方も多いかと思いますが、こちらの123のインクが発売されてから遊食インクと言う言葉を聞くようになりましたし、初めて書いた時はとても衝撃でした。今まで万年筆のインクと言えば、ベースとなる色のみの表現でしたが、こちらの123のインクは、書いている間に緑(グリーン)が見えはじめ、最終的に色が定着した時には、何とも言えないきれいな表現となります。
写真を見てもらえれば分かりやすいと思いますが、123のインクはベースが薄紫(パープル)か薄ピンクのように見えます。その薄紫(パープル)や薄ピンクのベースの中でインクが溜まった所々に、緑(グリーン)が見えています。自分の書いた文字が単色だけでなく、このようなインクで表現されるとすごく味のある文字に見えます。紫(パープル)系、ピンク系のインクが好みの方にはお勧めのインクです。
ナチュラルな遊食インク162の魅力
続いて162のインクですが、こちらは緑(グリーン)ベースのインクで、書いた所やインクの溜まった所が、所々ピンク色として見えます。ベースの緑(グリーン)は結構薄めなので、パキっとした濃いインクが好きな方だと、少し物足りない感じがすると思います。しかし、乾いた所にピンク色が見える、緑(グリーン)とピンクの組合せは、とてもナチュラルで素敵です。
こちらも写真を見てもらえれば分かると思いますが、緑(グリーン)ベースのインクにピンクがとても綺麗に見えます。遊食インクの特徴として、コンバーターなどでインクを吸い上げた時に、インクをティッシュ拭き取るとベースの色とは別の色がティッシについてとても綺麗です。緑(グリーン)ベースのインクが好みの方にはこちらの162がお勧めです。
遊色インクを楽しむには紙も重要
2つのインクをご紹介しましたが、どの紙でもこのように遊色インクとして表現されるのかというとそういう訳ではなく、インクが沈むコピー用紙などではあまり遊色インクの良さが表現されません。その為、遊色インクを楽しみたい場合は、少し高価な紙にはなりますがユポ紙がお勧めです。ユポ紙はもしかしたら中々手に入りにくいかもしれないので、表面にコーティングがされているような紙であれば、遊色インクを楽しめるかと思います。私はユポ紙で作られているシステム手帳リフィルのヌルリフィルを使用しています。こちらのリフィルで書くと、遊色インクを楽しむことができます。
総評
いかがだったでしょうか。他にも遊色インクはたくさんあると思いますが、今回は代表的な2色をご紹介しました。私の視点ですが、遊色インクは書いている時も、もちろん楽しいですが、書き終わった文字の表現が、同じ規則ではなく予測がつかないインクの濃淡や表現になるので、そこが手書きの、そして、アナログの最大の魅力だと思います。日常当たり前のようにデジタルツールを使用していますが、遊色インクを使用して、ビジネスや様々な場面で温かみのある、そして味のある文字を書くのも素敵なことだと思います。