権力は腐敗する
『権力は腐敗する』
そんな言葉を聞いたことがある。
どこで聞いたのか定かではないが、コロナ禍で閉塞感漂う日本の中で連日のように取り上げられる政治家たちの危機感のない行動を見ると、この言葉は正しいのではないかと感じた。
今もなお世界中で猛威をふるうCOVID-19。
世界中の感染者数は1億人を超えた。
日本では大晦日に首都東京の感染者数が千人規模となり、感染爆発、医療危機に直面している。
4月から5月下旬にかけて出された緊急事態宣言。
1月から再び出された。それに伴い、外出自粛を呼びかけ、在宅勤務や時間差出勤も再び行われ始めた。
しかし、そんな中でも繰り返されるのが呼びかけと正反対の行動をする政治家たちの不祥事だ。
会食自粛を呼びかけたくせに会食をしてみたり、
外出自粛を呼びかけたくせにキャバクラや居酒屋へ出かけたり。
挙句の果てには突っ込まれると、
「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」
「地域の実情を聞きにいった」
などとどこか他人事のような回答の数々。
不誠実にもほどがある。
どうしてこうも自制の効かない行動をする政治家が多いのか。
ふと考えてみた。
政治家は立法府や行政府の中で権力を持つ存在である。
権力を持った彼らは、自らを脅かす存在がなければその権力にどっぷり浸かる。
自らを脅かす存在があり、権力にどっぷり使って汚職をしたら、次の選挙では勝てなくなるかもしれない。しかし、その脅かす存在が小さければ、どっぷり使って好き放題する。だって、怖くないんだもん。
こうして、権力を持つものたちはその権力に甘え、吸い上げ、どっぷりと浸かり続ける。自分を脅かす存在はない。何か起きても周りが守ってくれるし。
自分らは外食してもいい。だって政治家だもの。
自分らは会食してもいい。だって政治家だもの。
突っ込まれたら、ヒアリングだの政治家は人に会うのが仕事だの答えておけばいい。選挙に負けなければ、それで済むのだから。
そんな甘えがあったからこそ、
今回のような不祥事が連続して起きているように思える。
『権力は腐敗する。』
それを自ら証明し続ける現代の政治家たちに、
自浄能力を使えなくなった政党に、
私たち市民からお灸を据えるべき時が目の前に来ている。