試行錯誤が進む家庭向けロボット - Hello Robot
Googleや Amazonなどが家庭向けロボットの開発を進めているという話は以前から耳にしますが、公に紹介される情報はほとんどありません。そんな中 Googleの元 Robotics担当 Directorのアーロン・エドシンガー氏が設立した Hello Robot社が家庭用ロボットのプロトタイプ “STRETCH” の開発を進めています。
“STRETCH”は開発者向けプラットフォームとして $17,950 (200万円弱) で販売されています。通常のロボットアームとは異なる、(エイリアンの口のように) 伸び縮みするブームの先にエンドエフェクター(グリッパー) が取り付けられた一見変わった構成ですが、ナビゲーションのための 3Dカメラやレンジファインダーなどを搭載した ROSベースのモバイル ロボットです。“STRETCH”(伸びる) という名前はこの伸び縮みするアームが由来です。
Hello Robot社のホームページで紹介されているデモビデオを見ると、通常のロボットアームを搭載したモバイル ロボットの課題解決がいくつも試みられているのが分かります。例えばアームは伸び縮みという直線的な動きなので、関節を持ち複数のアクチュエーター(モーター) を制御しなければならない通常のロボットアームに比べると制御がシンプルになりより確実な動きが可能になります。もちろんこの伸び縮みするロボットアームが完璧かというと課題もあり、例えば伸ばした状態で重い物を持ち上げようとした場合ロボット全体の重心が大きく変わりますので、クレーンを操作するように対象物も考慮した重量バランスを事前に計算する必要があります。
Hello Robot社はバークレーの北部に本社を構える 2017年に設立された現在社員10名強のロボット ベンチャーです。CEOのエドシンガー氏を元Googlerと紹介しましたが、実は Googleが2013年にエドシンガー氏の Meka Robotics社と Redwood Robotics社を買収した際に Googleに所属するようになりました。エドシンガー氏はこれらの会社以外にも 2007年にボストンの MIT CSAILでの研究活動を終え Hstar Technologies社も設立しており、長年ヒューマノイド型ロボットの開発を含めロボット開発を手掛けてきています。
今年の CESでは Samsung社が家庭向けロボットのビデオを公開して話題になりましたが、各社家庭向けロボット開発は各社ステルス状態で進められているようですので、今後数年以内に一気に市場投入が開始されることが予想されます。Roomba以上の働きをしてくれるのが楽しみです。
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