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優秀な人材を選ぶ方法_第一回:課題を”採用”で解決できるのか検討する

わたしsiso50はweb系ベンチャー企業のリブセンスで採用担当を務めています。
採用業務を新たに始める人によく質問をいただくのが「面接で何を聞いたら良いのか?」という類のものです。この質問に対しては毎度、「何を聞くかより先に、なぜ採用するのかから考えましょう」とお返ししています。

なぜなら、
・質問は選考を効果的に進める手段であり
・選考は良い人を見極める手段であり
・良い人は組織が抱える課題を解決する手段
だからです。

良い質問によって効果的に選考を進めることができても、最終的に課題を解決できないのであれば意味のない時間を過ごしてしまったことになります。何事も先に課題から始めることが大切です。
ということで、私が取り組んだ事例を踏まえ下記を語ろうと思います。今回から始まる3回の連載です。

第一回:課題を”採用”で解決できるのか検討する
第二回:課題を解決してくれる人材を定義する
第三回:課題を解決してくれる人材を選ぶ

課題を採用で解決できるか検討する

そもそもですが、課題の解決方法って採用以外にもたくさんありますよね。
例えば、誰か一名が離職してしまったとします。ストレートに考えると欠員補充のために一名を採用することになります。

・・・がちょっと待ってください。

課題は欠員が出て業務が進まないことですか?
そもそも、その業務って必要ですか?必要だとしたら人をアサインせずとも工夫で解決はできませんか?できないとしたら社内にできそうな人はいませんか?社外から人材を迎え入れる必要がありますか?
そこまで考えた上で、必要とあれば採用を決断しましょう。採用にはコストと労力がかかります。また、採用した人が入社後活躍してくれるとも限りません。そういうリスクも踏まえて課題解決手法の一つとして採用を検討しましょう。

例えば下記のようなケースは採用が課題解決に寄与しそうなパターンですね。

・人材と生産性に相関がありそうである
市場ニーズが見えたサービスの営業職などの採用です。営業マンが多ければ多いほど収益が上がりますね。
・解決したい課題があるのに社内に該当者がいない
新規事業で新たな領域に挑む時などは、業界構造や人脈を持った人材がキーマンになりそうなものです。ですが、新たな領域に踏み出すのですから、当然社内に該当者はいません。外部から採用するのが良さそうです。

さて、偉そうに一般論を述べてきましたが、わたしたちの話もしようと思います。今回はリブセンスが新卒総合職採用に踏み切った話をできればと。

【解決したい課題】
会社設立から10年経過した頃、下記課題が見え始めました。
・web開発人材の恒常的不足
人材不足が事業拡大のボトルネックになっていました。
・全社意識の希薄化、価値観の固定化
全社意識の低下により部分最適が進み全体最適の妨げとなったり、会社の一体感が失われてきていました。価値観が固定化され、新しい発想が生まれずブレイクスルーが起きにくくなりました。

・web開発人材の恒常的不足
これはほとんどのweb企業に当てはまる課題と思います。エンジニア、PdM、デザイナー採用等で苦労している話は他社の人事さんからも伺います。
リブセンスではweb開発に対するこだわりが強く、特にPdMについては中途採用(即戦力採用)でほぼ内定をオファーしないというこだわりでした。
悩みの解決策は大きく2つです。

・中途採用を改善し即戦力を採用する
・経験は浅がポテンシャルある人を育成する

まず前者は難しいと判断。青い鳥を探し続けるのはコスパが良くありません。「ご縁があれば採用する」という方針に切り替え、メインは後者を目指すことにしました。
新卒マーケットでは有名企業とも戦える競争力があること、未経験からでも育成できることがわかったのが決め手でした(育成の話はこちらもご覧ください)。

・企業文化の希薄化、価値観の固定化
リブセンスはwebメディアごとの事業部制を採用しています。メディア価値に向き合う意味では良い組織なのですが、事業部間をつなぐ横断の繋がりが希薄になる課題がありました。そのため、事業部内で独特の文化を生み出し、交流も生まれずらいという課題がありました。結果、企業文化の希薄化や価値観の固定化が起きていました。
そこで、新卒同期という横断の繋がりへ期待しようという思いが生まれました。
また、価値観の固定化を避ける意味でも異なる世代のメンバーを集めることは意味があります。どうやら、価値観の異なる個人が集まりなされた意思決定の方が、1人のすごい専門家よりも高度な意思決定できるという研究もある様です。(参考:「みんなの意見」は案外正しい
その時、組織の武器となるのが人の多様性です。世代を跨ぐ多様性を集める意味で新卒採用は不可欠な手段です。

「課題を”採用”で解決できるのか検討する」の事例紹介は以上です。
次は、「じゃあ、どんな人が課題を解決してくれるんだい?」の定義方法について触れようと思います。


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