立川談志「談志の談捨離」オークションの経緯について
御縁があって立川談志師匠のご遺品を「談志の談捨離」として販売させて頂くことになりました、FTF株式会社の代表取締役武井進一と申します。
実は談志師匠のご遺品の販売は今回で4回目になります。最初に販売させて頂いたのが2017年でした。
本件の背景といたしましては、以下のような経緯がございます。
私自身、落語を20年ほど前からレコードやCDで聞くようになりました。志ん生、志ん朝と聞いていくうちに談志師匠の様々な噺やまくら噺を聞くうちに大ファンになりました。特に師匠の「鼠穴」「芝浜」が大好きで落語で初めて感度しました。書籍も読み漁り、実際の高座はファンになった当時のチケットは即売り切れで生の高座は残念ながら見られませんでしたが、DVDや動画などで楽しんでいました。そして2011年に亡くなられた際は大変ショックを受けました。「もうこんな人は出てこないだろう…」師匠の噺はもちろんですが師匠のお考えや金言も大好きだったため大変にショックを受けました。著名な方が亡くなってこんなにショックだったのは初めてでした。
師匠が亡くなられた際に「そう言えば立川談志の遺品はどうなるのかな??」と何となく頭を過りました。師匠は根津神社でのフリーマーケットをよく行われたり、書籍の中でも物や食べ物を粗末にしない事をよく仰っておりましたので余計に気になっていました。海外では誰々の手紙やステージ衣装などの多くの遺品がファンの手に渡り「形見分け」のような形でリユースされ、ファンにバトンタッチされております。日本では著名人のご遺品は、関係者に一部渡る程度でほとんどが廃棄されているのではないでしょうか。実際に遺品のオークションは国内では見たことがありませんでした。
そんなことを考えていたある日、師匠の「映画 立川談志」を見た翌日に突然、「立川談志の遺品のレコードを買い取って欲しい」というお電話がスタッフの方からかかってきたのです!それには大変びっくりし当日の予定を全てキャンセルし練馬のお宅に直行しました。信じてもらえないかもしれませんが、事実なのです。
そんな中、談志師匠のご親友でもあられたジミー時田氏のご遺族からも2014年にご遺品を買い取って欲しいとの連絡があったのです。ご遺族も全く偶然に依頼されたとのことで、こちらも非常に驚きました。「師匠から呼ばれたんだよ!」談志師匠のご遺族から言われ身が引き締まる思いが致しました・・・
2015年ジミー時田氏の遺品オークションが弊社の遺品オークションの始まりでした。
ジミー時田とは、談志師匠が「外国の歌を唄わせたらジミー時田を越える歌手はいない」と絶賛していたカントリー&ウエスタンの歌手です。談志師匠が葬儀委員長も務めたほどの間柄だそうです。昭和30年代から「マウンテン・プレイボーイズ」を率い日本のカントリー&ウエスタンのパイオニアとして大活躍されカントリー音楽ファンは勿論、音楽ファンであれば誰でもご存知の大御所ミュージシャンでありました。
そんなジミー時田の遺品オークションはギターやステージ衣装が中心でした。こちらも証明書を添えて販売したところ、大変ご好評をいただきました。少しでもファンの皆様に形見分けとしてお届けできればという想いで取り組みました。
その後、談志師匠の遺品のレコードをお預かりする時に「談志師匠の遺品オークション」のアイデアをご提案し、ご快諾頂き開催する運びとなりました。1回目のオークションは、2017年に下見会を行った後に出品を行い、言うまでもなく大変な反響がございました。それから2017年に2回目、2019年に3回目も開催し、ご家族とのお付き合いも始まりました。
今回の「談志の談捨離」につきまして
前回までは身の回りの品やレコードなどが中心でしたが、今回、練馬のお宅の資料整理に伴い長年保管されていた絶版の著作本などを中心に弊社ヤフーオークションストア「フェイスレコード ヤフー店」出品させていただくことになりました。
今回は、談志師匠のご遺族のご協力を得て十三回忌が過ぎた立川談志の練馬宅にの資料整理に伴い、長年保管されていた絶版著作本を出品いたします。
尚、談志師匠は名著「現代落語論」を初め累計100冊近い書籍を上梓されております。著述家、随筆家としても大変活躍をされておりました。私もかなりの数の著書を読ませていただき大変勉強になりました。人生の視野が広がりました。この機会にぜひ師匠の著書や作品に触れて頂き、落語にも興味を持って頂ければ幸いです。
FTF株式会社
代表取締役
武井進一
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