常総学院の取材で感じた「強さの秘密は細部に宿る」
一昨日、指導者向けの専門誌「ベースボール・クリニック」(ベースボール・マガジン社)で常総学院の島田直也監督を取材した。本題についてはこちらでお伝えするが、ここでは取材で感じたことを記したいと思う。
3人同時で投げられるブルペン。私はここでである光景を目にした。
投球練習が始まる前、立ち投げにも関わらず、捕手がバッターボックスのラインをきれいに引いていたのだ。
当たり前?確かにそうかもしれない。
ただ、私が知る限り、投球練習のたびに、まるで試合開始の時のようなきれいなラインを引く学校はそうはない。(ましてやこの日は、捕手は座らない立ち投げだったのだ)
ふと21年前に取材した時の記憶がよみがえった。
「ウチはなんも特別なことはやってないの」
名将・木内幸男監督は茨城弁でそう言っていた。だが、よーく練習を見ていると、全てに意図があり、目的があり、試合につながるものがあった。
ブルペンは投球練習の場である。相手にするのは捕手であり、試合でもミット目がけて投げる。一方で、投手が対峙するのはあくまでも打者。立ち投げであってもその感覚を疎かにしない、その姿勢がくっきりと白く浮き上がった打席のラインにあると感じた。
料理はひと手間で味が変わると言われる。結局はチームも同じではないかー。ちょっとした手間を、労を惜しまない。その積み重ねが繁盛店ならぬ、強いチームを作っている。そんな気がした。
常総学院は「厨房」、すなわち、様々なグラウンド施設もきれいだった。確かに練習環境は恵まれているが、細かなものの整理整頓も行き届いていたことを加えておきたい。