【ラグビーにおけるワークロードモニタリングについて】
ワークロードモニタリングに関するこの記事は、私の実践経験から得た洞察を基に、スポーツ現場でどのようにこれを活用できるかに焦点を当てています。
主な対象は、ワークロードモニタリングを既にスポーツ現場で実践している人です。ラグビーに限らず、他の球技にも応用が可能な内容となっています。
*本記事におけるデータは全て架空のダミーデータとなっています
◆はじめに
ラグビーの現場ではラグビーのスタッツ、体組成、ウェルネスなどあらゆるデータが沢山飛び交っています。なぜモニタリングするのか?を明確にし、必要な項目にエネルギーを割いて分析することが最優先です。
このトピックに悩んでいる方々がいるにも関わらず、サポートの環境は殆どありません。私自身も、手探りで試行錯誤しながら現在も改善策を考える日々です。
データをとっているが使い方が分からない、どのように数値を見ればいいか分からない、そんな方々にとって考え方を整理するキッカケになれば幸いです。
◆ワークロードモニタリングとは?
体にかかる外的負荷と内的負荷を再現性のある方法によって観察することです。
外的負荷とは主に身体外で定量的に示すことのできる負荷で、GPSデバイスなどが挙げられます。
内的負荷は身体内で起こる変化の大きさで、心拍数の変動などが挙げられます。
現在国の代表チームはもちろん各国のクラブチームや学生レベルでも行われております。
◆なぜワークロードモニタリングを実施するのか?
ワークロードモニタリングを実施する理由は下記のように挙げられます。
・各個人にかかる負荷を測定し、怪我を予防しながらパフォーマンスの最大化を図る。
・チームの練習における負荷を測定し、試合で高いパフォーマンスを発揮するために負荷を調整する。
・練習や試合における負荷を測定し、怪我人の段階的な復帰計画を立案およびサポートする。
各選手は怪我を回避しながらシーズンを過ごす上で、耐性を身につける必要があります。外的/内的負荷の強度、負荷の量、そして強度と量の双方が要求される場面における耐性を身につけるには、一定の期間を要します。
また1日の高い負荷に耐えるだけではなく、負荷が長い期間かかることにも適応しなければいけません。
今後の記事では
・外的負荷のモニタリングに関する実例(GPS)
・内的負荷のモニタリングに関する実例(sRPE)
を取り上げます。
次回の記事において、GPSデバイスを用いてどの項目に関するデータを取るべきか、項目の選定について詳細を解説します。
また、GPSのデータを集めてラグビーコーチや選手に共有する際のポイントや、実際にGPSのデータを処理する方法(ExcelやLooker Studioなど)についても述べていきます。
紹介する方法は無料のWebサービスや一般的なPCに入っているソフトを使用するので、アマチュアの学生チームなどでもすぐに応用することが出来ます。
練習や試合の準備と振り返りを円滑にすすめるために、効率よくGPSのデータをまとめる具体例を紹介する予定です。