メモ

日本人の創造を手助けして100年

今回のマーケティングトレースは「マルマン株式会社」さん。

ん?

マルマン??

って思った方も多いかと思います。

私も会社を調べるまでそう思っていました。

しかし、日本人なら恐らく誰しもが使ったことある、
もしくは見たことがある製品を世に送りだしています。

それがこちら。

スケッチブックと言えばマルマンさん。

多くの日本人が工作や美術の授業でお世話になったはず。

そんな我々の創造を生み出すキッカケを作ってくれたマルマンさんをマーケティングトレースしていきます。

ちなみに、僕はスケッチブックではなく「Mnemosyne(ニーモシネ)」を使っています。

えっ?

ニーモシネ?

これです↓↓↓

僕も愛用しております。

では、まずは会社概要から。

【会社概要】

・創業は1920年(来年100周年!!)
・従業員数201名
・スケッチブックは学校指定になっている
・紙の種類だけで13種類あり、全てに名前がついている
・宮崎と相模に工場を設けており、各工場では紙のプロが最高品質の製品を生み出してる
・「ペーパーマイスター」という紙の仕上がりをチェックする役職を配置
・徹底した利用者目線により利用シーンに合った製品を開発

2000年に入るまでは主な顧客は学校に通う生徒たちでしたが、
少子化で売上縮小によりターゲット層をビジネスマンまで拡大しました。
それが2004年に誕生した「Mnemosyne(ニーモシネ)」です。

しかし当時、「少子化だから販路を別のターゲットに拡大する」といった単純な事業戦略ではありませんでした。
実は商機を逃さないといった背景も隠されていたんです。

バブル期はペンやノートは企業が社員に支給していたそうですが、
バブル後は経費削減として支給をストップさせる企業が増えたそうです。
そこに着目して、新たにビジネスマンが個人で購入するスタイリッシュで
高品質な「Mnemosyne(ニーモシネ)」を世に売り出しました。

さらに、持ち前の高品質でロイヤルカスタマーを獲得。
常にユーザー目線でニーズに沿った製品を作りだしていくことで
ブランド価値を構築していきました。

ちなみに、「Mnemosyne(ニーモシネ)」はギリシャ神話における
「記憶の女神」から名付けられたそうです。

そして、2019年5月に「書くこと、考えることが仕事を創造的にする→」
キーメッセージにしてリブランディングを実施。
メッセージ内の「→」は、Mnemosyne は個人の便利ツールに留まらず、
多様化する環境で「コミュニケーションツールとして活用できる、
『ソノサキ』も示すという将来性」が込められているそうです。


調べていくうちに、マルマンさんの製品に対するこだわりが面白くなり、
是非とも皆さんに紹介したいと思い会社概要が長くなりました。

さて、さらに会社を深掘りしていきましょう。

3C分析/PEST分析

【3C分析】
Company:自社
・1920年創業のスケッチブックやノートを主に販売する文具メーカー

Customer:顧客
・小学生からビジネスマンまで幅広く展開

Competitor:競合
・同業の文具メーカー
・タブレットやヌーボードなどのペーパーレスのメモ機能を持つ製品

【PEST分析】

Political:政治
・SDGsの動きによるペーパーレス社会への動き

Economic:経済
・文房具の国内市場は激戦
・大手メーカーは海外に事業規模を拡大

Social:社会
・紙文化からの脱却が年々加速

Technological:技術
・電子メモの急速な普及によりペーパーレス化

どうしてもペーパーレス化の波は今後もより受けてくるでしょう。
特に今年発売した新型ipadシリーズでもApple Pencilの書き心地が
話題になり、手書きから電子メモへと移行した人も多いはず。
2019年はマルマンさんにとっても重要な1年になったはずです。
そして迎える2020年、100周年になる来年はいったいどんな企画を展開するのか楽しみですね。

企業のリソースを洗い出すSWOT分析、4P分析、4C分析を行います。

SWOT分析/4P分析/4C分析

【SWOT分析】
Strenghs:強み
・ユーザーにとっての最適な紙を作り出すことに徹底
・100年間日本人の創造を支えてきた実績
「Mnemosyne(ニーモシネ)」を2019年5月にリブランディング
・ユーザーの利用シーンによって使い分けることができる商品力

Weaknesses:弱み
・企業としてのブランド価値を高める伸びしろがまだまだある

Opportunities:機会
・ペーパーレス化が進む一方で手書きを重宝する人がまだまだ多い

Therats:脅威
・タブレットなどによる電子メモの急速な拡大

【4P分析】
Product:商品
・最適な紙を最適な人に最高の形で届ける仕組みと歴史
※以下参照

Price:価格
・一般的なノートの価格に比べると割高

Place:流通
・東急ハンズやロフトなど大手の生活雑貨を中心に販路を拡大

Promotion:広告
・SNS、クリエイターとのコラボレーション、プレスリリースで認知拡大

※以下コラボレーションの実績

【4C分析】
Customer Value:顧客価値
・自分に合った紙が揃っており、デザイン性で他のどんなツールと合わせても違和感がなくフィットする

Cost:顧客にとっての経費
・初見はやや割高だが一度使うと離れられない

Convenience:顧客利便性
・書き心地、用紙の取り外しがスムーズ、利用シーンによってサイズが細かく分けられているため幅広く活用ができる

Communication:顧客とのコミュニケーション
・シンプルでスタイリッシュな売場を演出することで、つい覗いてしまう

さらにインスタのアカウントでは、ブランドでアカウントを分けています。

もし、自分が企業のCMOだったら。

・会員システムにして商品ごとの購入費度を可視化
・定期購入商品と都度購入商品を明確に分けて最適なタイミングで最適な製品をユーザーに届ける仕組みを構築
・著名なビジネスマンや作家に「Mnemosyne(ニーモシネ)」でどのようなメモをとっているのかを公開する企画を展開
・マルマン社製品専門のリアル店舗を展開
・SNSや他のメディアにて中にいる人が紙に対するこだわりを表に出すことで会社のファン作り

最後に、、、

近年はペーパーレス化を推進する動きが全世界で広まっています。
ただし、手書きを好む人はまだまだ多くいます。
とはいえ、業界自体がデジタル化に伴い、縮小していくことは時間の問題かもしれません。

しかし、その中でもマルマンさんはユーザーへただ単に「紙」を提供していたわけではなく、最適な製品を最適な人に最高の形で100年もの間、我々日本人の創造を後押ししてくれました。
そのブレない姿勢が企業理念の「いつの時代もアイデアと感性の側にマルマン」に反映されています。

中くらいサイズのメモ帳が欲しかったんで、買いに行こうかな。

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