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キリンのマーケティング戦略(ほんの一部)

キリンのマーケティング戦略を ” ほんの一部 ” を紹介します。会社とか家族に雑談で使ってください。全貌を紹介すると書籍のボリュームになるので控えます。なので今回は  ”  ほんの一部  ”  だけをご紹介。


2020年のヒット商品


昨年、2020年にキリンからヒット商品が生まれました。

それがコチラ↓↓↓

一番搾り糖質ゼロ


キリン一番搾り生糖質0

以下、参考までに。


日本で初めて糖質ゼロを実現させたビールとして話題を呼びました。

これまで糖質ゼロの発泡酒や糖質オフのビールはありましたが、正直ってどれも「糖質を制限したらこうなるよなぁ」という商品ばかり。しかし、キリンの糖質ゼロは完全にビールでした。

ブランドサイトはこちら↓↓↓


一番搾り。
だからおいしい糖質ゼロ。


このコピーは一番搾りを全面に押し出すキリンの魂を感じます。


こだわり抜いたパッケージ


スーパーに行くとよく勝手な妄想をしています。

①この棚を勝ち取るにはどんな施策が必要なのか?
②勝ち取ったとしても競合に惨敗したら次は無いな。
③どうする?

さらに、競合がひしめき合うビール業界は、たとえ棚を確保しても手にとってカゴに入れてもらえるかは別問題です。いかに消費者の興味を引きつけるのかが最重要となります。

そこで打ち出したビール缶のパッケージデザインがコチラ。

一番搾りメッセージ


一番搾り麦汁
だけでつくった
糖質ゼロ。
おいしいに
決まっています。


お客様がビールを手に取り、買うか悩むシーンまで想定している秀逸なパッケージです。


手に取る
  ↓
悩んで裏を見る
  ↓
興味深いメッセージ
  ↓
面白いから買ってみようか


消費者が買う理由が生まれます。

ここまで設計しているとか、もうさすがとしか言いようがない。。。


一番搾りの全面プッシュ


近年、キリンでは一番搾りを全面的に押し出す施策が目立つように感じます。プロモーション領域をメインでやっている僕として気になるのは最近のスマートニュースでの施策。



「キリン一番絞り」の新たなサンプリングの形として積極的にサンプリング展開していきました。ビールを飲まない人でも知っている定番商品のキリン一番搾りをサンプリングする意味とは?元来、キリンは「おいしさ」に対して真正面から向き合ったマーケティングを展開しています。

一番搾りのブランド担当の岸川真氏は記事内で、スマートニュースでサンプリングを行った理由を以下のように述べています。

・スマニューのサンプリングは幅広い層へリーチ可能
・ビールは同じ商品を飲み続ける人が多いのでブランドスイッチが起きにくい

つまり、何かしらの理由で一番搾りを飲むのをやめてしまった人へアプローチすることが目的。一番搾りを再発見してもらう機会を生み出しているとのこと。


ちなみに、行ったサンプリングの方法がコチラ。

・抽選で当選した人にはコンビニなどで使える引換券をプレゼント
・抽選に外れてもSNSでシェアすれば再抽選できるように設計

外れてもSNSでシェアすることで拡散できる。

さすが天下の天下のキリン。計算しつくされた緻密な仕掛け方を設計しています。結果、キリンでは新たにスマニューのサンプリング広告施策を実施して新たなブランド接点の創出に成功したとのことです。


シェア奪還


結果、キリンは2020年にアサヒビールから日本のビールシェアNo1を奪還しました。

先ほどのサンプリングもそうですが特に力を入れたポイントがコチラ。

・クラフトビールが楽しめる飲食店をオープンし、ビールが苦手な人も集客
・キリンホームタップで家飲み需要を拡大
・健康食品事業の強化

キリンは常にユーザー調査や店舗のモニタリングを行い、お客様が何を考えているのかを認識し、新たな商品を開発していく組織です。多様性が求められる時代だからこそ「お客様からキリンの商品を選んでいただく」にはどうすればいいかを現場レベルで徹底追及し続けています。

上層部は権限移譲して現場に任せる。

※以降は書籍の紹介。

キリンを調べていくにあたり手にとった本が面白かったので紹介します。

キリン対サントリー


2014年に発売した書籍ですが、ビール業界をほぼ無知だった僕にとって非常に興味深い内容でした。若い方はあまり知らないでしょうが、実はキリンとサントリーは経営統合を目指していたらしいです。
(僕も知りませんでした、、、)

ただし、立ちはだかったのは組織の壁でした。

三菱財閥系のキリンに対し、「やってみなはれ」の生粋のベンチャー精神のサントリー。同じ飲料業界でも背景が違うと企業体質まで大きく異なります。

攻めるか、守るか。
守りながら攻めるか。
攻めながら守りを固めるか。

一時期、ビール市場のシェア6割と圧倒的なシェアを誇っていたキリン。それ以上売上を伸ばすと独占禁止法に当たるので次なる戦略が打てませんでした。そんな中、経営危機のアサヒが社運を掛けて開発したアサヒスーパードライが大ヒット。瞬く間に襲いかかるアサヒに対してキリンが出した施策はサントリーとの経営統合だったが‥

といった話から始まります。

気になった方はぜひ。


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