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#写真
Creative Problems
大学の写真学科の1、2年生の必須授業の科目に「Creative Problems」というものがあった。内容はスライドプロジェクターで映し出されたさまざまな有名写真家たちの作品を見て、それらのコンセプトや撮影方法などの話を聞いたり、フォントや同じ写真を組み合わせてパターンを作るなどデザインの練習のようなものをしたり、それらはvisual arts制作の原点を探るような授業で、写真の歴史や技術とはず
もっとみるYoungtree Annual 制作中
あっという間に12月に入ってしまって今年も終わりに近づこうとしているが、僕自身もあと数ヶ月で51歳を終える。コロナ禍のせいにはしたくないが、50を超えてもあまりこれといって変わり映えしないというか、体の老化の始まりを感じる以外改めて大きな変化を遂げることもまだない。50歳になったからといって急に何かが変わることではないのはこの一年10ヶ月くらいでよくわかったから、やはり自分の意思で少しずつやって
もっとみる祖父の故郷の川を辿る
明治42年に祖父が生まれてから100年以上が経つ。祖父は2004年に94歳で亡くなったが、その後も僕は彼のオマージュ的映画を制作したり、お葬式の写真集を出したりして、祖父の姿形、しいてはそこから得られるスピリットを自分の中に生き続けさせようとしている。亡くなってから18年経っても年に数回は夢の中に出てくるし、その夢から覚めた時は一瞬まだ祖父が生きていた頃の自分のようで、場所や時間がよくわからなく
もっとみるスティーブンショアのモダンインスタンスModern Instances
「ためになるものへの警告」と僕は読む
スティーブン・ショアは写真家としてはもう巨匠なのだが、アメリカの今の若い人たちにとっては大学の先生の一人だと思っている人もいるかもしれない。僕ら写真集好きにとっては、もうこれまでの素晴らしい写真集の数々でも圧倒されてきたのに、未だ精力的に撮影を続けている憧れの写真家のひとりだ。最新刊の写真とエッセイの組み合わされた「Modern Instance」というタイ
かたずけをさえぎるもの
僕の現在の事務所は最近でいう、シェアオフィスという感じで、建築家の谷尻誠さんの会社にデスクを借りている。それまでは、マンションの一室を事務所にしていた。現在の場所に引っ越しするために多くの荷物をトランクルームや、実家の方に分散して置いているが、その中の主なものに写真のネガやプリントがある。大学の頃からの分を考えると、32年分、ここ10年くらいはカメラのデジタル化でフィルムの量はだいぶ減ったが、こ
もっとみる写真集とストーリーテリング
Youngtree Diary #2がまもなく完成します 。前回に引き続き、15人の執筆者による日記を時系列にならべたものです。今回はさらに文字分量が増え、ほとんど読み物の作りになってしまいましたが、日記自体もとてもいいものになってます。
写真家なのに、これほど文字ばかりの本を作っているのも不思議なのだが、言葉という伝達方法に憧れを持っているからかもしれない。自分が写真を主に使ったビジュアルコ
いい写真とおしゃれな会話
最近代官山の蔦屋に行くことが増えたのは、パーキングエリアの中に車の充電スポットができたからだ。以前は事務所が近くにあったから、ふらっと立ち寄ることはあったが、事務所を今の場所に引っ越してからは用事がなければほとんど行かなくなってしまった。それが車の充電を理由に週1、2回も行くようになった。しかし、その充電器は超高速大容量なので、だいたい30分もあれば満タンになってしまう。書店での30分はあっとい
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