まだまだある!上場後に時価総額1,000億円超を達成した企業
1. はじめに
前回のnoteで、「この厳しいマーケット環境下で、上場後も成長している企業はどんな企業だろう?」と疑問に思い、新規上場時から時価総額が10倍以上、かつ1,000億円以上になっている企業を抽出しました。
その内容については、詳しくはこちらのnoteをご覧ください。
ピックアップした企業は、業種や事業形態問わず、上場後も成長を維持して高い時価総額を実現しており、大変興味深かったです。
一方、前回の選定基準に満たない企業でも、上場後に成長して伸びている企業は、実はまだまだありました。
これらの企業も取り上げたいなと思いましたが、どのような切り口で選んでいくか、例えば時間軸を拡げるのか、株価の上昇率や時価総額に着目するのか…
色々な方向性がありうる中で、今回は、成長率にこだわらず、時価総額のみに着目し、上場後に時価総額が大台の1,000億円を超えた企業をピックアップしてみたいと思います。
今回も、達成までの期間は問わず、2014年7月から2020年3月までに上場した企業の中で、新規上場時(公開価格ベース)から株価が上昇し、時価総額が1,000億円を超えてきた企業を抽出してみました(前回企業は除く)。
前回同様、特に業種や事業形態、VCからの調達の有無は検討要素には入れていません。また、あくまで学びをシェアすることを目的としており、取り上げた銘柄の投資を推奨するものではないこと、また数字や記載の正確性については保証できない点は、予めご了承ください。
2. 選定企業
a. FOOD & LIFE COMPANIES(3563)
会社名からはピンときにくいかもしれませんが、回転ずし「スシロー」、お持ち帰りすし「京樽」等のブランドを運営する企業です。
2017年3月の旧東証一部上場時の時価総額は、公開価格ベースで約989億円、このnote執筆時の2024年7月12日の時価総額は、約3,125億円です。
2017年に再上場している先で、かつ上場時に既に時価総額1,000億円程ある先のため、今回の趣旨とはやや外れてしまいますが、時価総額3,000億円超えの存在感が目を引きました。
上場後、コロナ期間も含めて売上・営業利益は増加していて、またそれに伴い株価も上がっており、事業の底堅さを感じます。
国内だけでなく、アジアでの店舗展開を進めてきているようで、足元の店舗増の内訳は、アジア中心のように見受けられます。
b. アンビスホールディングス(7071)
2013年9月創業で(2016年10月に持株会社に移行)、医療施設型ホスピス「医心館」を展開しています。
2019年10月の旧ジャスダック上場時の時価総額は、公開価格ベースで約308億円、このnote執筆時の2024年7月12日の時価総額は、約2,174億円です。
創業からわずか6年で上場、10年で2,000億円企業まで成長しています。
売上高・定員数も、右肩上がりに伸びています。この売上規模で、前期は対前年比38.6%成長しており、今後も30%以上の成長率を目標としています。
首都圏を中心としたドミナント戦略で、東日本を中心に展開しているようです。
c. メドレー(4480)
2009年設立で、医療ヘルスケア分野の人材採用システム「ジョブメドレー」等を提供している会社です。
2019年12月の旧マザーズ上場時の時価総額は、公開価格ベースで約359億円、このnote執筆時の2024年7月12日の時価総額は、約1,365億円です。
上場後も、売上は右肩上がりに伸びています。前期は、対前年比44.7%と高い売上成長率を実現しています。
売上の内訳を見ても、医療介護求人サイト「ジョブメドレー」を中心とした人材PF事業が底堅く伸びていることに加え、オンライン診療システム等を中核とした医療PF事業も伸びているようです。
d. テクノプロ・ホールディングス(6028)
2006年設立で、機械、電気・電子、化学・バイオ、建築・土木等の分野における技術者派遣サービスが主力の企業です。
2014年12月の旧東証一部上場時の時価総額は、公開価格ベースで約664億円、このnote執筆時の2024年7月12日の時価総額は、約2,993億円です。
売上も年々着実に増加しており、技術者派遣市場では、売上規模で第1位、シェアは約6%を占めているようです。
e. マネーフォワード(3994)
2012年5月設立で、クラウド会計や家計簿アプリを提供しています。
2017年9月の旧マザーズ上場時の時価総額は、公開価格ベースで約283億円、このnote執筆時の2024年7月26日の時価総額は、約2,703億円です。
売上高、ARRは綺麗に右肩上がりで成長しています。
3. さいごに
今回も、メドレー、マネーフォワードのようにIT業界では馴染みのある企業から、スシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIES、医療施設型ホスピスを展開するアンビスホールディングス、人材派遣のテクノプロ・ホールディングスまで、多種多様な業種の企業がありました。
回転ずし事業の海外進出、医療施設型ホスピスやヘルスケア領域の人材事業など、日本の強みの「食」を海外展開する企業や、高齢化、医療・介護領域の人手不足といった現在の日本が抱える重要なテーマに取り組んでいる企業が入ってきたのが印象的でした。
もう少し時間軸を拡げてみたり、株価の上昇率に着目してみると、別の企業群が選ばれてくると思いますので、自身の学びも兼ねて今後も続けていきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
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