【ミカタをつくる広報の力学】 #59 春の法改正でPRを考える 〈 春のPRネタ 2022 〉
前回は施政方針演説について書いたので、今回は恒例の「春のPRネタ」について書きたいと思います。
オミクロン株と3回目ワクチンの戦いで見通しが立ちにくく未だにモヤモヤな今春ですが、法改正などの社会的な動きが活発なので、そちらでPRを考えていきましょう。
※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。
今年の春は社会の動きに注目
冒頭でも書いたように、オミクロン株でまん延防止重点措置が実施され、3回目のワクチン接種が進む中、5類感染症(季節性インフルエンザ相当)への引き下げが見送られ、ますます先行きが不透明に。
世界水泳もワールドマスターゲームズも延期が決まって、少し残念な春になりました。
それでも、社会は止まりません。もちろん、メディアも止まりません。
レジャーやワクワク感はいまいちでも、新学期は始まりますし、新生活応援ムードは高まります。
そして4月には法改正が多いので、今回はそちらに注目していきたいと思います。
IRに関わっている人はご存知だと思いますが、4月4日から東京証券取引所の市場区分が新しくなります。
現在の一部、二部、マザーズ、JASDAQから、プライム、スタンダード、グロースの3区分へと再編成。以前のような「東証一部上場企業」という表現は今後見られなくなります。
開始上限を75歳まで引き上げる年金受給制度や、不妊治療の保険適用など、生活に関わる法改正が多く、中でも約140年ぶりの改正となる成人年齢の引き下げは、今年の成人式のタイミングでも話題となりました。
比較的PRに結び付けやすいのは、脱炭素社会とも関連の深い「プラスチック資源循環法」でしょうか。
既にレジ袋が有料化されているので以前ほどのインパクトは無いかもしれませんが、プラスチックのスプーンなどが有料化されることに対しては、昨今の物価高も手伝って、消費者も敏感に反応するでしょう。
「社会・時事」以外あまり変化はありませんが、今春の行事をピックアップしていきましょう。
春の定番行事をピックアップ
一般に、PRのネタとして使われる、春の行事や記念日、法改正などを一部ピックアップしましたので、ネタづくりの参考にしてください。
【祝日・記念日】 ※( )内の日付は2022年のものです。
ホワイトデー(3/14)
エイプリルフール(4/1)
イースター(4/17)
ひな祭り(3/3)
母の日(5/8)
父の日(6/19)
春分の日(3/21)
昭和の日(4/29)
憲法記念日(5/3)
みどりの日(5/4)
こどもの日(5/5)
【行事・レジャー】
卒業式/入学式/入社式
お花見/運動会/いちご狩り/潮干狩り/ピクニック/ハイキング
【生活・文化】
新生活/引っ越し/一人暮らし
衣替え/花粉症/梅雨
【社会・時事】
新型コロナワクチン3回目接種
民法改正(成人年齢を18歳に引き下げ)
プラスチック資源循環促進法施行
年金制度改正(受給開始上限75歳)
不妊治療保険適用
パワハラ防止法の中小企業適用
東京証券取引所新市場区分スタート
「プラ循環法」と「成人年齢18歳」を活用
上でも書いたように、コミュニケーションをつくりやすいのは、環境課題でありながら日々の生活とも密接に絡んでいる「プラスチック資源循環法」ではないかと思います。
昨年話題になったカップ麺の蓋止めシールの廃止や、最近バズったソーセージ巾着包装の断髪式など、食品メーカー各社では包装資材のプラスチック削減をユニークな企画でPRしています。
消費財のようなカジュアルなトーンとは若干異なりますが、消費財以外のメーカーやBtoB企業でも大切なのは企画です。
例えば、工場見学のプログラムにプラスチック資源に関するコンテンツを加えるのも良いかもしれません。春休みやゴールデンウィークにはファミリーで参加するニーズも高まりそうです。
次に「成人年齢18歳」に関して。
成人式のタイミング以上に重要なのが、保護者の承諾無しに「契約」が可能になること。
一人の大人として、結婚も、借金も、商取引もできることになるので、マーケットによっては、18歳と19歳を足した200万人以上の人がターゲットとして加わる可能性もあります。
どの企業も、Z世代へのアプローチにはお悩みかと思いますので、この機会に新成人に向けた企画でPRしてみるのはいかがでしょうか。
特にお金に関することは重要課題。
自治体や地元銀行と一緒に、クレジットや電子マネーについて学ぶイベントを開催するのも一手です。
その意味で一番ホットなのは証券業界でしょうか。
4月から東京証券取引所の市場区分が新しく3区分に変わり、成人年齢が引き下げられることで18歳から口座がつくれるようになります。
今春の大きなトピックス2つが重なるので、企画次第では大きな露出につながるかもしれません。
おわりに
今春は大きな制度改正があるので、少し堅めのアプローチをしましたが、3月から5月にかけては3連休ラッシュ、ゴールデンウィークは休みを取れば最大10連休になるので、ピクニックなどのレジャーと絡めても良いかもしれません。
本文内で触れた「工場見学」と、昨年の「春のPRネタ」については、関連記事として以下にリンクしておきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。
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