【ミカタをつくる広報の力学】 #19 業界紙はPR&販促で活用
前回と前々回で全国紙と地方紙について書きましたので、今回は業界紙の話をしたいと思います。
業界紙は、業界に特化した読者が明らかであることから、ベテラン広報担当者の多くが重要視しているメディア。
それゆえにアウトカムにもつながる販促活用についても書いていきます。
※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。
業界紙はターゲティングが有効
業界紙や専門紙と呼ばれる専門新聞は、工業、建設、家電、通信、医療、金融など、その分野は多岐にわたり、発行部数も数千部から数十万部まで、その規模も様々。
一般的に「業界紙」と呼んではいますが、そのジャンルは業界区切りに限らず、小売り・流通に特化したものや、業態で区切られたものも存在しています。
これらの専門新聞には、業界・業態に特化していることで生まれる、一般紙には無い決定的な特徴があります。
それは、読者層が業界関係者に固定されていること。
つまり、不特定多数に向けて発信される一般紙と違い、特定の業界内に向けて情報を発信できるメディアであるため、一般コンシューマーには情報が届かないものの、逆にビジネスユーザーに対してはピンポイントで情報を届けられるわけです。
製品の技術的なことや新しいサービスなどについての情報が掲載されるため、流通関係者などの「買い手」が購読しているケースも多く、通常の広報活動では設定しにくい「ターゲティング」が可能になるのは大きなメリットといえるでしょう。
B2Bプロセスに限った話にはなりますが、日頃「売上への貢献」で頭を痛めている広報担当者にとっては、突破口にもなり得るのではないでしょうか。
業界紙には販促ベースの戦略を
業界紙はピンポイントでターゲットに届きますが、一般紙に比べて読者が圧倒的に少なくソーシャルへの拡散も期待できません。
したがって、全体的なパーセプションを変えることも、社会的な共感を得ることも難しいでしょう。
その代わりにアウトカムへの道筋、つまり「売上への貢献」につながる可能性を持っているのです。
業界紙を読んでいるのは、自社の効率化や増収につながる有益な業界情報を知りたいと思っている人だと思われるので、少なくとも「潜在ニーズ」のあるところには情報投下できていると考えられます。
なので業界紙への露出を考える場合には、「社会への影響や話題性」ではなく「業界への影響と読者への訴求力」を考える。
つまり販売促進と同じ考え方をしたほうが、より直接的なリード獲得が可能になるでしょう。
もちろん、中心にあるブランドメッセージや日々配信しているリリースの内容とも突き合せて、一般紙露出とブレない範囲での販促PRにすることが肝要です。
記事提案と広告を上手に使う
販促と割り切ってしまえばリーチの多さにこだわる必要もないので、いずれかの紙面に狙いを定めて攻める方が得策でしょう。
私のいた会社では、いつも産業系新聞の記者さんを一人お呼びして打合せをしていました。ニュース性で勝負するわけではないので「リーク」とも違いますが、記者発表というよりは個人的にお話しする感じです。
その場合、有料の記事広告になるか無料のフリーパブになるかは企画の善し悪しでも異なると思いますが、私は出来るだけタイアップ記事を提案するようにしていました。つまり新聞社と協力してプロジェクトなどの記事制作をしていくということです。
業界で抱えている課題を解決するための内容、つまり「Why」の部分を記事で、自社の営業活動につなげる「What」と「How」の部分を純広告で訴求するのです。
そうすれば、第三者視点での公正な記事でありながら、記事を読んで興味を持った読者は広告で誘導するということが可能になります。
おわりに
今回の話は、知っている人には当たり前の内容だと思いますが、他のメディアに対して応用できる基本的なことについても記載しました。
記事提案については中途半端な感じになってしまったので、また機会を改めて書きたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。