【ミカタをつくる広報の力学】 #22 雑誌露出は企画で狙う
今回は、雑誌への露出を狙う方法を書いてみようと思います。
雑誌の場合はリリースよりも企画を立てて持ち込んだ方が早いのではないか、という話です。
専門ライターさんの話や具体的な企画例も書いていきます。
※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。
雑誌の企画は売上に影響
雑誌は「クラスメディア」と呼ばれ、読者として設定するターゲットをとても細かく分類しているのが特徴です。
女性向けファッション誌や児童向け雑誌では3歳刻みで設定されています。
その他、趣味やカルチャー、ビジネスの業種などによっても細かく分類され、ジャンルの方向性に従って発信する情報を決定しています。
方向性が細かく設定されているので、情報の即時性よりも、情報の詳しさや企画の面白さを読者は求めます。
このことはPRのネタにもいえることで、週刊誌や月刊誌などの雑誌は記事の編集に時間をかけられるため、画ヂカラや即時性よりも企画の面白さが露出の正否を決めることがあります。
雑誌の場合は新聞などの定期購読とは異なり、内容の善し悪しで都度購入を判断されるため、巻頭特集などにおいてはさらに影響が大きく、企画内容が売上に直結するといっても過言ではありません。
専門ライターを活用しよう
雑誌の編集においては、出版社の編集部や編集プロダクションでも記事制作を手がけていますが、より専門性が高いものに関しては、専門のライターが記事を書くケースも少なくありません。
特に記事広告など、編集部以外で企画を立てた場合は、フリーのライターが担当するケースが多いです。
専門のジャンルは、IT、家電、グルメ、旅行、スポーツ、証券、芸能、ゲームなど、挙げればキリがないほど多岐にわたっており、中には時計専門や記念日専門など、かなりマニアックなジャンルのライターも存在します。
飲食やデジタル、エンタメというように、PRの方向性が決まっている事業会社の場合は、メディアよりもライターとの関係を大切にしている広報担当者もいます。ライターさんからメディアに売り込んでもらえるケースもあるからです。
手間も時間もお金もかかりますが、PRの手法としては極めて有効な手段といえるでしょう。
ライターの頼もしいところは、メディアインサイトはもちろん、読者インサイトや業界トレンドについても把握していること。
もちろん人によりますが、そこまで業界研究に熱心なライターと懇意にできれば、PRコンサルタントをミカタにつけたようなものです。
ライターさんとつながる前に、まずは雑誌の記事にクレジットされている署名を頼りに検索をかけて、その人の書いた他の記事を読んでみることをお勧めします。様々な記事を読むことで、取材や執筆の傾向やパーソナリティが把握できますので。
王道企画とは違った切り口で
では、どのような企画を持ち込めば良いのか。
当たり前の話ですが広告ではないので、単純な自社のプロモーション企画では門前払いです。
読者が興味を持つようなリアルタイムのニーズを押さえられれば強いですが、それがわからない場合は昨年の同時期に組まれている特集を参考に、「季節もの」で考えてみても良いでしょう。
ベタなことをいえば「年末商戦」や「新生活」のようなものです。
その時期の特集には大体ランキングが王道の企画として組まれていますが、そんな当たり前の企画は持ち込み企画になりません。
そこで切り口を変えて、例えば「裏ランキング」。
「裏ランキング」というのは、マジョリティではないものの「隠れた人気商品」のようなマニアックなもののことです。
こうした少し変化球を狙った切り口で、競合他社も含めて比較できるような特集を持ち込むと、メディア側にとっても他誌と差別化できるメリットがあるので、話を聞いてくれる確率が高くなります。
おわりに
今回は雑誌のフリーパブを狙う方法として記事企画の話を書きましたが、ファクトのコンテンツ化はペイドパブでも役立つので、積極的な提案をお勧めします。
経験からいうと、出版業界も厳しい苦境に立たされているので、フリーパブの持ち込みと併せて広告出稿も依頼すると良好な関係が築けますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。