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《マーケティングトレース》#3 Minimal - Bean to Bar Chocolate -

マーケティングトレース3回目は、株式会社βaceさんが展開する日本初のチョコレート専門店「Minimal - Bean to Bar Chocolate -」に挑戦してみました。

前回まではマーケティングトレースの分析結果画像の貼り付けだけでしたが、
今回からは少し補足や自分なりのコメントも残していきたいと思います。
初心者ゆえ、穴は多いかと思いますが宜しくお願いします…!

では本題に入ります。

【Minimalについて】

Minimalさんは2014年に東京の富ヶ谷で立ち上がったスペシャルティチョコレートの専門店です。

世界中のカカオ農園に足を運び、カカオ豆から板チョコレートができるまでのすべての工程を自社工房で行う「Bean to Bar」で製造。

素材の特性に応じて製造方法を変えることで素材の良さを引き出すことを大切にしており、
今までのチョコレート作りが味や香りを「足し算」で加えていくものならば、Minimalはチョコレートを「引き算」して日本人ならではの発想でチョコレートを再解釈しており、余分なものは引き算するミニマリズムの考えをもとにチョコレートを作っています。

Minimalでは「質の良いカカオ豆」を自ら農園まで探しに行きます。
そして、農家が「良いカカオ豆」を作っていけるように、カカオ豆収穫後の発酵・乾燥プロセスを指導、毎年農家と一緒に改善を繰り返しています。
高品質のカカオ豆を作ってくれれば、Minimalはフェアトレード以上の高価格で買い取り、農家の生活向上、カカオ豆への誇りを醸成することにも寄与しています。

高品質なカカオ豆を仕入れたMinimalは素晴らしいチョコレートに仕上げてお客様に提供します。
お客様は新しく、美味しいチョコレートを体験し、満足いただければ対価を払っていただけます。
Minimalは対価を頂くことで、またカカオ豆を買うことができ、この循環を生産者・製造者・消費者による「三方良しのエコシステム」と呼び、この考えを大切にして体現しています。

会社概要
社名:株式会社βace
設立:2014年8月19日
本社:〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-1-9
Tel:03-6322-9998
営業所:
富ヶ谷本店 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-1-9
代々木上原店 〒151-0064 東京都渋谷区上原1-34-5
代表取締役:山下 貴嗣
取締役:湊谷 航介、緒方 恵
従業員数:40人 (アルバイト含む)※2020年7月末現在
事業内容:商品の企画・製造・販売(OEM、卸、小売)ブランドマーケティングショップの企画・運営

【マーケティングトレース】

まずは分析してみた結果を下記に貼り付けます。
自分なりのコメントなどはこのあとに。

Minimalマーケティングトレース01

Minimalマーケティングトレース02

【Minimalの強み、特徴】

まずはMinimalさんの強みや特徴を整理してみました。

minimal swot分析

強み・特徴
・質の良いカカオ豆を買取れる仕入ルート
・仕入ルートを見つける目利き力
・カカオ豆発酵に早くから注目、2014年から現地に入って発酵と乾燥を研究。ノウハウを生産者と共有し現地農家と改善を繰り返す。
・国内外のトップレベルのレストランやパティスリーで腕を磨いた職人達
・ものづくりレベル向上のため商品開発を一人に任せずチームのメンバーがそれぞれ担当。エンジニアリング力を高められる環境
・国際品評会で6年連続・合計69賞を受賞した実績
・膨大な試行錯誤からカカオ豆の発酵について科学的な特性を理論的に理解。焙煎におけるポイントや学びを蓄積し体系化
・チョコレート造りにおいては、感覚や感性を大切にして、職人達の個人的な“美味しい”を重要視
・板チョコのデザイン:お客様の食べるUXを豊かにする提案と、一目で「Minimal」だとわかる形状
・「Eat First、Learn Later」:まず食べて美味しいと思ってから、なぜ美味しいのかを理解するともっと美味しい体験になるという考え方。コンテンツ創り、内容充実

ざっくりとまとめると
・仕入力
・職人による製造力と知識の体系化
・デザイン性
・満足度を向上させるコンテンツ
かなと推測しました。

バリューチェーンについて
つづいてバリューチェーンを整理してみました。

minimalバリューチェーン

やはり肝となるのは強みでも挙げた
・仕入力
・職人による製造力と知識の体系化
このあたりがキーになるのかなと感じました。

【個人的にトレースできたかも?と思う施策】

クロスSWOT分析と5FORCES分析をするなかで、
トレースできたかも?という施策がいくつかありました。
(画像内オレンジ文字部分)

minimal クロスswot

強み×機会
・自社webサイト内「JOURNAL」にて投稿し(2016年10月初投稿)オウンドメディア 化
→昨今「若年層のSDGsや環境を意識した消費行動が増加」している傾向があるかと思います。
Minimalさんは、貧困や児童労働問題が残る地域のカカオ農園からフェアトレード以上の価格で買い取るという取り組みを行っています。
このような世界の現実や取り組みを発信し、消費者の購入理由、購入動機に繋げているのではないかと推測しました。

弱み×機会
・「7DAYS CHOCOLATE」などのセット商品販売
→1枚1,000円以上するチョコレートはリピートされにくくニッチな商品であるかと思います。
一方、コロナ禍自粛長期化につれ在宅時間充実というニーズが高まり、普段より美味しい・高品質な食品の需要が高まっているという機会もあります。
その対策として、「7DAYS CHOCOLATE」という食べ切りサイズのチョコレート7種を1日1枚ずつ楽しめるトライアルセットの販売で、上記の需要に対応し、リピーター獲得を目指しているのかと推測しました。

強み×脅威
・消費者のリテラシー成長を促すようなコンテンツ。美味しいの先のなぜ美味しいのか、どんなストーリーがあるのかを発信
→大手企業である明治から「Bean to Bar」商品がコンビニなどで販売されていますが、この客層を取り合うのは得策ではないですし、Minimalさんのスタイルとも違うかと思います。もう少し意識の高い客層にリーチした方が響くのではないかと思いました。
その施策として、webサイトにてブランドストーリーや美味しい理由など、意識の高い消費者に対しても満足してもらえるようなコンテンツを掲載しているのではないかと推測しました。
また、ライト層の方が購入した場合でも、チョコレートについての知識が学べる内容となっているため顧客のリテラシー成長(ライト層→コア層)も促す目的もあるのではないかと感じました。

画像3

代替品に対しての施策
・グルテンフリーガトーショコラなど展開
→代替品は「高品質な「おやつ」や「ギフト用お菓子」というカテゴリー」を想定しました。
こだわった製品が市場に増えてきているため影響力は大きいのかなと感じましたが、
すでにMinimalさんでは「グルテンフリーガトーショコラ」「レアチーズケーキ」などを販売し、対策を講じているのかなと推測しました。

【競合について】

競合については、先ほど整理したバリューチェーンが似ている
「ダンデライオンチョコレート」さんとして仮定してみました。

ビジネスモデル的にはMinimalさんと同様に下記が軸となるようです。
・Bean to Barでのチョコレート作り
・仕入先選定、仕入先への技術指導
・webサイトでのコンテンツ投稿、オウンドメディア化(2017年12月初投稿)

2社の規模感の違いとしては下記の通りです。
<店舗数>
ダンデライオン:アメリカ4店舗、日本3店舗(表参道店は2022年3月27閉店予定)本店はサンフランシスコ。
Minimal:2店舗
<従業員数>
ダンデライオン:80名
Minimal:40名
(2022年3月12日webサイト閲覧時点)

またダンデライオンさんは、例えば蔵前店は大箱店舗でカフェ要素が強めです。
一方Minimalさんはわずかにカフェ席はありますが、比較的物販販売やテイクアウトの流れが強いように感じます。

どう差別化するか?
バリューチェーンも非常に似ており、差別化するにはどこで他社と違いをつけるのかが重要なのではないかと感じました。

【今後の施策仮説】

カカオ豆の仕入れで大きな差を生むのは、短期的には難しいのかなと思いました。
Minimalさんはカカオ豆の自社栽培の研究も進めていますが、中長期的な施策になるのでしょうか。

となると「製造」のフェーズでオリジナリティを生むしかないのかなと思いました。

Minimalさんの考え方の中に
「チョコレート造りにおいては、感覚や感性を大切にして、職人達の個人的な“美味しい”を重要視する」
というものがあります。

この姿勢をより前面に押し出すのはどうかなと思い、下記の施策を仮説として考えました。

minimal施策仮説

職人をインフルエンサー化
職人のパーソナルな部分や趣味趣向を露出してブランディング。
さらに職人本位のニッチなプロダクトを開発し他社との差別化を計ります。
「この人の造るチョコレートなら信頼できる」という段階までもっていければ面白いのかなと。
カカオという原材料での差別化が難しいため、職人技術での差別化と、また人材獲得にも注力が必要なのではないかと感じました。


マーケティングトレースは以上となります。

【最後に】

今回は前回までとは違い、アウトプットを整理してこのような記事にしてみました。
自分で書いていて改めて整理される部分もあり学びとなりました。

ただ、前回も書きましたが、まだまだ詰めの甘い部分が多々あると思っています…。

分析もそうですが、最後の「自分だったらどんな施策を行うか?」の引き出しが乏しいです…。

これは回数をこなしたり、色々な施策を実際に見て自分の引き出しにしていく必要があるのかなと感じています。

次回以降もこのように整理しながらアウトプットしていければと思います。


長々と最後までご覧いただきありがとうございました!


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