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【お父さんなんて呼ばない】~君はまだパパと呼ばない。20話~

私には子供がいます。
血のつながりの無い子供です。
昨年、父になりました。
本音を言うと20代の頃には考えられませんでした。
血の繋がりの無い子供を持つなんて。

だから、娘が
「お父さんではない。」
と言う気持ちも分からないではない。

前回の記事にも書いたように、自粛が明けて
学校が始まり学童へ通いだした娘。
私が迎える事で周りからの冷やかし等もあり
苛立ちは増していた。

私と妻は秋頃していた、入籍を早める事を決めた。
娘を学童に預けて、2人で役場に行き書類を提出。
認知も無かったので通常の手続きと違うらしく
受付したおじさんが記載に間違いが無いか分からず
ドタバタしたが無事に入籍をした。

妻と私は幸せいっぱいだった。

娘も私の家での生活には慣れて来ており
実家には帰りたいとは言わなくなっていたので
許してくれるだろうと思っていた。
また、学童で冷やかされる事も無くなるだろうと思った。

そして、どういう反応をするのか不安と期待がありながらも
夜に娘を私の部屋に呼び妻と結婚した事を伝え。

【今日から私が父になった事、お父さんと呼んで欲しい事】

と話した。

驚くほど泣きながら、怒鳴り声にも近い声で

「お父さんじゃない!!お父さんなんて呼ばない!!
  嫌だ!!嫌だ!!お父さんじゃない!!」

と叫んだ。

確かに、嫌がったり、拒んだりする事も予想していたが
予想以上の反応に私もショックを受けた。

私には何が嫌なのかは分からない。
私の事が嫌いなのか?
本当は一緒に住みたくない所を住んでいるのか?
不安が頭の中に広がって行った。

娘もこれまでにないぐらい泣き、駄々を越えて
全身で結婚を拒否してみせた。
何度話しても、説明しても、話は平行線。

娘が眠る時間はとっくに過ぎていたこともあり
私は娘に、私は自分の娘としてこれからは接すると話した。

ただ娘が私を父と認めるまでは

「しんごさん」

で良いとも話した。
泣きつかれたのか、妻と部屋に戻りすぐに眠る娘。

私は1人部屋で何でこんな思いをしないといけないんだと
この先も父とは認めなかったらどうしよう。
吐き出したい気持ち、不安を飲み込み。

優先するのは私の気持ちでは無い。
娘の気持ちだ。

と、心で自分に言い聞かすように何度も繰り返した。

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しんごぉ。
沖縄でラジオパーソナリティ、アーティスト、動画編集
デザイン、イベント関係をしながら活動中。

シングルマザーの妻と結婚し、娘が出来た事をきっかけに
noteを書き始めました。
娘とのこれまでを振り返りながら、家族とは何か?
を考えながら書き綴っております。

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