応用情報技術者試験対策:経営分析の基本を押さえる! 第2回:「企業健全性を評価する財務指標の見方」
前回は経営分析の重要性と基礎知識についてお伝えしました。今回は、企業の健全性を判断するために活用される財務指標について詳しく解説します。これらの指標を理解することで、企業の財務状態を客観的に評価できる力を養いましょう。
1. 財務指標とは?
財務指標とは、企業の財務諸表に記載されたデータを基に計算される数値のことです。これらの指標を活用することで、企業の安全性や健全性を定量的に判断することが可能です。主に以下のような指標が企業の健全性を測るために用いられます:
2. 主な健全性評価の指標
自己資本比率
計算式:自己資本 ÷ 総資本 × 100
概要:企業の総資本に占める自己資本の割合を示します。この比率が高いほど、借入金への依存度が低く、財務的に安定していると評価されます。
目安:一般的に40%以上が望ましいとされています。
流動比率
計算式:流動資産 ÷ 流動負債 × 100
概要:短期的な負債を流動資産でどれだけカバーできるかを示す指標です。支払い能力を示す重要な指標の一つです。
目安:100%以上であれば健全とされます。
固定比率
計算式:固定資産 ÷ 自己資本 × 100
概要:自己資本が固定資産にどれだけ投資されているかを示します。固定資産の割合が高すぎる場合、長期的な資金繰りが厳しくなる可能性があります。
目安:100%以下が健全とされています。
負債比率
計算式:他人資本 ÷ 自己資本 × 100
概要:借入金の割合を示し、他人資本への依存度を測る指標です。負債比率が高い場合、財務リスクが高いと判断されることがあります。
目安:100%以下が理想的です。
3. 健全性評価のポイント
企業の健全性を評価する際は、単一の指標だけを見るのではなく、複数の指標を総合的に判断することが重要です。また、同業他社や過去のデータと比較することで、より正確な分析が可能となります。
例えば:
流動比率が高いが自己資本比率が低い場合:短期的には安定しているが、長期的な成長に課題がある可能性があります。
自己資本比率が高く負債比率が低い場合:財務的に非常に安定していると判断できます。
4. 応用情報技術者試験における活用
試験では、これらの財務指標を用いて企業の健全性を判断し、適切な戦略を提案する力が求められます。特にケーススタディ形式の問題では、これらの指標の計算や解釈が問われることが多いため、基本的な計算式とその意味をしっかり押さえておきましょう。
5. 次回の予告
次回は、企業の成長性を把握するための指標である「収益性・成長性指標」について詳しく解説します。これらの指標を理解することで、企業の将来性や競争力を見極める力を養うことができます。お楽しみに!
財務指標は、企業の健全性を評価するための基本的なツールです。これらをしっかりと理解しておくことで、経営分析全体の基礎が固まります。次回も引き続き、企業の成長性を評価する指標について詳しく解説します!
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