その1【まずは愚痴から始めよう】
諏訪大社の神さんに請われて協力の契約をした時には教えてもらわなかったたことがある。
それは日本の神さんたちの現況は争乱状態にあるということ。
そりゃあ、さぁ、日本古来のちゃんとした神さん、人間どもが後付けででっち上げた神さんもどきがいて、後者の方が圧倒的に数が多くて一見幅をきかせているように見せながらも、その実は後者には何の力もなくてただの張り子でしかないくらいは知ってたよ。
前者の方の日本の神さんたちも一枚岩でないことも知っていたよ。
でもさぁ、ここまで大変な状態に、ここまで荒涼として、酷い争乱状態がずっと続いていたなんて知りませんでしたよ。
しかも、神さんたち寿命が長いし、長過ぎるし。地勢の変化まで視野に入れたり、人の歴史にゆっくりと介入したり、そこまで気長にかつ深謀遠慮に争っているなんて、そんなこと思いもしませんでしたよ。
でもねぇ、まあ、冷静になって考慮してみたら、さもありなん、当たり前だわ。そんな風にも見えてくるわけで。
とにかく、半ば騙されたような、情報開示されなかったような状態で、私は諏訪の神さんと傭兵契約みたいなものを結んだんだ。
それがかれこれ十年くらい前。
そこから神さんたちの勢力分布を学んだり、私のための戦力(眷属)を集めたり、本作戦のための布石を打ったりしてきたわけだ。
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