あの青信号に間に合うかどうか、分からなくても走れ
通勤中のいつもの道、僕の前を歩いていた女性が突然走り始めた。少し先にある交差点の信号が青になったからだ。
この信号は変わるのが早い。今から走ってもギリギリ間に合わないだろう。僕は歩き続けた。
彼女は全力でかけていく。交差点まで30m。青信号はまだ点滅しない。
もうすぐ点滅して、変わってしまうからやっぱり間に合わないだろうな。
ポケットに手を入れて歩きながら、僕はその様子を眺める。
交差点まで15m。
信号が点滅を始めた。
ほら間に合わなかった。走らなくて良かった。
彼女は全力で走り続ける。
交差点に差し掛かる。
まだ信号は点滅している。
え、間に合うの?本当に?
彼女は横断歩道を渡り切り、そして信号は赤になった。
僕は10秒後にその交差点にたどり着き、赤信号を見つめながら立ち止まっている。
彼女は道路の向こう側を悠然と歩いている。
さっきまで同じ場所にいた人が、今では全く違う場所にいる。
彼女は前に進み、僕はその場所に立ち止まったまま。
正直に言うと彼女が渡り切ったとき、僕は少し悔しかった。
成功者に感じる妬みと似た感情。
そして挑戦しなかった自分を正当化した。
僕だってやろうと思えばできたんだ。
予定通りだからこれでいいんだ。
走って渡れるかどうか分からないんだから、走らない方が賢いよね。
僕は失敗したくないんだ。
それでも、と僕は思う。
僕もあの時駆け出していれば、この赤信号の向こう側に行けたのだ!
僕は失敗を恐れて挑戦をしなかったのだ。
成功者とは挑戦し続けた人だ。
挑戦者しか成功者になれない。
これからはチャンスを見たら、全力で駆け出そう。
過去の経験や思い込みは、行動力を鈍らせる。
いつでも全力で駆け出せるよう、準備も入念にしておこう。
失敗してもいいじゃないか。
挑戦しよう。
あの青信号に間に合うかどうか、分からなくても走れ
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